米大手コインベースアプリでDeFi銘柄YFIをサポート、テザーは時価総額150億ドルを突破
仮想通貨市場とBTC(ビットコイン)
18日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン(BTC)価格は、前日比0.85%安の114.4万円(ドル)に。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で大規模金融緩和が実施され、米ドルのインフレリスクや経済の不確実性が懸念される中、暗号資産(仮想通貨)ビットコインの「価値の保存」能力が見直され始めている。
The Scoopポッドキャストでは、米デジタル資産投資会社Cambrian Asset ManagementのMartin Green CEOは、デジタル資産市場で機関投資家が直面する課題について、次のように述べた。
デジタル資産には多くの固有のリスクがあり、中でも「カウンターパーティリスク(取引相手が破綻するなどして契約不履行で損失を被るリスク)」は懸念される。
機関投資家向けの取引代行など必要なサービスを総合的に提供する金融事業者である「プライムブローカー」といった仮想通貨取引の統合サービスは、現段階では不十分だ。
仮想通貨業界におけるカウンターパーティリスクやコンプライアンスリスクは、資産規模の大きい機関投資家の参入障壁の一つとなっている。その一方、Martin Green CEOは、仮想通貨市場は過渡期を迎えつつあり、今後は制度上の関心が高まると見ている。
Skewの市場データによると、CMEのBTC先物のOI(未決済建玉)前年比は、8600万ドルから9億4800万ドルまで大幅上昇。
コインベースアプリでYFI対応
コインベースは、AndroidおよびiOSアプリでyearn.financeのガバナンストークンYFIのサポートを発表した。
約1週間前、Coinbase ProにYFIとLRCが上場している。
yearn.finance(YFI)は、分散型金融(DeFi)プラットフォームであり、YFIは、yearn.financeプラットフォームのネイティブトークンだ。dYdX、Aave、Compoundなどのプラットフォーム間でプロバイダーの資金を移動することにより、集約された流動性や自動マーケットメーキング(AMM)などの多くの機能を実行することを目的としている。
ユーザーは、yearn.financeの流動性プールに流動性を提供することで「YFI」を獲得し、プラットフォームガバナンスにトークンを使用することができる。
昨日のUniswapトークン「UNI」ローンチを受け、DeFiセクター崩壊の警戒感から軟調に推移していたETH(イーサリアム)価格は前日比2.1%高に。プラットフォームのユーザー全員が約1,000ドル相当のUNIトークンを受け取っており、トークン売買を行う投資家がETHで取引を行っていることもその需要を押し上げた。
コインベースやバイナンスといった大手CEX(中央集権取引所)への上場に成功したUniswapのトッププロジェクト(YFI、YFII、REN、RSR、ZAP、AMPL、OM、BAL、SNX、UMA)の平均収益は実に+208%に及ぶという。
一方で、トランザクション手数料である「Gas代」の高騰といった深刻な弊害も発生しており、スケーラビティ問題の解消が重要性を増している現状もある。
テザー(USDT)の時価総額が150億ドルに
米ドルにペッグされたステーブルコインのテザー(USDT)の時価総額が150億ドル(約1.6兆円)を突破した。coinmarketcapのデータでは、XRP(リップル)を抜いて時価総額3位に付けている。
背景として、送金や分散型金融(DeFi)を含むデジタル資産分野における革新的なプロジェクトでの需要増加がある。
Tether社のPaolo Ardoino CTO(最高技術責任者)は、次のように述べた。
テザー(USDT)の成長は、暗号資産(仮想通貨)エコシステム全体の成長を代弁している。50億ドル到達に5年を要したが、100億ドルから150億ドルの到達はわずか54日で達成した。
テザーは、Algorand、ビットコインキャッシュのSimple Ledger Protocol、ETH、EOS、Liquid Network、Omni、Tron、Solanaといった多種多様なブロックチェーン及びプラットフォームを跨るようにして発行されている。
テザーを通じて、ブロックチェーン領域で成長するベンチャー企業や技術革新(イノベーション)の支援を目的としている。
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