ビットコインファンドへ資金流入──投資顧問会社の見方に変化
インフレ懸念でビットコインファンドに
米暗号資産(仮想通貨)マネージメント企業Bitwiseのビットコイン(BTC)投資ファンド(Bitwise Bitcoin Fund)が過去1年で2倍の規模となり、900万ドルを追加調達したことがわかった。
証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、計43の投資家が新たに参加していた。最低投資額は3,950ドルで、投資顧問会社に特化したファンドだという。
Bitwise Bitcoin Fundは2018年12月にローンチしたもので、当初の運用資産は153,400に留まっていたが、2019年にも410万ドルを調達。今年さらにその規模を拡大している。
Bitwiseのリサーチ責任者Matthew Hougan氏は投資額が急増した理由について、投資顧問会社がインフレをヘッジするためにビットコインを選択し始めていると説明している。
また、TheBlockに対し、投資顧問会社による仮想通貨への見方についてこのように語った。
投資顧問会社は一年前、主に仮想通貨について学び、我々のファンドに少額の投資を行なっていたが、今はその投資を大胆に実行するようになった。
クライアントのポートフォリオの1%〜2%を(ビットコイン等に)充てるほどにまでなっている。
以前はいわゆる「ヘッドラインリスク(悪いニュースによる価格の変動)」による仮想通貨投資リスクを懸念していたが、今や仮想通貨を投資する同業者に追いつくよう積極的に投資を始めている。
増える金融業界からの投資について、Hougan氏は、「投資顧問会社はクライアントとの仮想通貨投資の会話を用意する必要があると思っている。投資リターンも1つの理由だが、フィデリティやCMEなど大手業者の参入も要因だ。…さらにはマクロ経済の状況も影響している」と説明。「金融業界からの投資は未だ早期段階だが、動くペースは非常に早い。今後12ヵ月でより多くの資金流入が見込めるだろう」と続けた。
Bitwiseは他にもイーサリアムファンドと仮想通貨インデックスファンドも運用している。イーサリアムファンドは昨年わずか29,700ドルの調達となったが、インデックスファンドは今年6月付きでは6650万ドルを調達している。インデックスファンドは、ビットコイン、ビットコインキャッシュ(BCH)、 イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、XRP、ライトコイン(LTC)、EOS、テゾス(XTZ)、 ステラ(XLM)、カルダノ(ADA)の10銘柄を対象としている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します