ビットコインマイニング業者、最新の業績は? 第3四半期決算書を読む

北米マイニング企業の業績

今週、北米のマイニング企業が相次いで第3四半期の決算報告を行った。その中から三つの企業に焦点を当て、その業績と概要をまとめた。

第3四半期(7月~9月)のマイニングの関連して特筆すべき点の一つが、ビットコインのハッシュレートの推移だ。BTCのハッシュレートは、6月に急回復を見せた後、数回の難易度調整を経ても拡大が続き、10月18日まで続々と過去最高値を更新していた。

Riot Blockchain

米コロラド州キャッスルロックに本拠を置くRiot Blockchainは、米ナスダック(NASDAQ: RIOT) に上場している。同社のCEOによると、昨年、ライトコイン(LTC)とビットコインキャッシュ(BCH)のマイニングを停止し、ビットコインのマイニングに特化することを選択。当期は、昨年同期の41%増となる222BTCを採掘した。

当期のマイニング収益は240万ドル(約2億5230万円)で、前年同期の170万ドル(約1億7870万円) から42%の増収となった。2020年9月末までの9ヶ月間では、マイニング収益は670万ドル(約7億430万円)、収益マージンは38.2%と、昨年同期間(560万ドル:18.5%)に比べ20%近く改善した。

同社は、2021年半ばまでに自社のハッシュレート(採掘速度)を4倍の2.3EH/sに高める計画を持っており、8月にはBitmain社の次世代型マイニング機器、「S19 Pro」1万5600台を購入契約している。そのうち、3040台は受領され配備済みであり、その結果、同社の総ハッシュレートは556PH/sに増加したとのことだ。これは、昨年同期(101PH/s)から450%の増加となる。

Riot Blockchain社の9月末時点での手元資金(現金及び仮想通貨)は、3910万ドル(約41億1020万円)となったと報告されている。(2019年末:1130万ドル=約11億8790万円)

Marathon Patent Group

同じく米ナスダック上場企業(NASDAQ:MARA) で、米ネバダ州ラスベガスに本拠を置く「Marathon Patent Group」は、第3四半期に過去最高となる83万5184ドル(約8780万円)のマイニング収益をあげたと報告した。これは昨年の同時期と比較すると、160%の増加となる。

また、2020年9月末までの9ヶ月間では、マイニング収益は170万ドル(約1億7870万円)となり、昨年同期間(90万8175ドル)から89%の増収となっている。

同社は8月、Bitmain社と1万500台の次世代マイニング機器 S19 Proの大規模な購入契約を結んだ。これらの機器が配備されると、合計1万3520台の最新マイニング機器が稼働し、1.55EH/sを生成する見込みだという。同社CEOのMerrick Okamoto氏は、2021年の第2四半期末までに、1100%のマイニング能力の増加を見込んでいると述べた。

Hut 8

一方、カナダのオンタリオ州トロントに本拠を置く「Hut 8」の当期収入は、昨年の同期に比べ80%減少した。当期の収入は575万4732カナダドル(約4億5960万円)、前年同期は2674万9874カナダドル(約21億36200万円)であった。

大幅な減収となったが、同社はマイニング機器への投資を継続しており、当期には1000台のMicroBT社 Whatsminer M31Sと、同じく1000台のM31S+の設置を完了し、採掘能力を154PH/s高めることに成功したという。また、1590台のM30Sが今月下旬に納入される予定で、さらに140PH/sのハッシュパワーを供給できると同社は述べている。米仮想通貨メディアCoinDeskは、現在、Hut 8の総ハッシュパワーは1,100PH/s超と見積もっている。

トロント証券取引所(TSX:HUT)に上場している同社は、ビットコインのマイニングに特化しており、同社の株式の10%以上を米資産運用企業大手のフィデリティが保有している。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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