仮想通貨高騰で関連詐欺が増加傾向、リップル社や取引所公式を装った事例も

価格高騰で詐欺も活発に

10月以降の暗号資産(仮想通貨)価格高騰を背景に、仮想通貨関連の詐欺が増加傾向にある。

仮想通貨のGiveaway(タダでプレゼントする)は、詐欺の典型的な手口として横行してきたといっても過言ではない。

例えば「仮想通貨を配布するため、あなたアドレスを教えてほしい」といった口実で少額の仮想通貨を犯人のアドレスに送金させるが、当然配布は行われない。少額に設定されていることで、手口にひっかりやすくなっている。こういった詐欺の手口は、メールか、あるいはツイッターのリプライ欄などでから誘導するものが多い。

UniswapやXRPなどで確認されている事例

近年では、詐欺の手口はますます巧妙となり、見分けることは困難だ。

最近急騰したXRP(リップル)に関する事例では、開発する米Ripple社を装った詐欺案件が確認されたほか、「新型コロナの感染拡大に伴い、経済回復のためXRP保有者に対しインセンティブを与える」として情報を記入させるものも存在。偽サイトに情報を記入させ盗み取る「フィッシング詐欺」に該当する。

人道的なキャンペーンを装っており、タイトルも「Incentives and Support for XRP holders」のように曖昧な表現となっている。

このような事例を受け、有識者らが注意を呼び掛けている。

仮想通貨詐欺の傾向と対策

また、大手分散型取引所(DEX)のUniswapでは、Google Playストアにて偽物のアプリが配信され、計20,000ドルの被害があったことが報道されている。公式のプラットフォーム上で配信されており、偽アプリに「高評価」のサクラレビューがついていたことが、多くの非値の目を欺いたとされる。

世界最大手仮想通貨取引所のバイナンスがまとめた良くある仮想通貨詐欺には、以下の5つが列挙された。

  • Giveaway詐欺
  • ポンジスキーム詐欺
  • 偽モバイルアプリ詐欺
  • フィッシング詐欺
  • 情報商材屋による誇大な煽り

このうち古典的な詐欺手口である「ポンジスキーム」は、高配当を謳い、後発参入者の出資金を配当金と偽って分配することで、資産運用などによって利益を出していると見せかけるもの。「商材屋による煽り」は実体のない仮想通貨を、高い収益性を謳って売りつけるものなどがある。

「Giveaway詐欺、偽モバイルアプリ、フィッシング」はどれもネット上で典型的な詐欺で、犯人宛てに仮想通貨を送金させることや、ウォレットなどの情報を盗むことを狙いとしている。

デジタル資産を保有するウォレットの暗証番号にあたる「秘密鍵」は絶対に人に教えず、よく使うサイトはブックマークに登録するなどして、偽サイトを踏まないよう注意したい。メールなどのリンクをクリックすると、一見して偽物とはわからない偽サイトに飛ばされることもあるため、不審なリンクは開かない方が賢明だろう。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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