グレースケールを偽った仮想通貨投資信託の書類が提出された疑いが発覚
グレースケールを装った申請
米最大手暗号資産(仮想通貨)投資企業グレースケールを装い、米デラウェア州当局に対し、2銘柄に関する投資信託の申請書類を提出された疑いがあることが発覚した。
提出された銘柄は、ThetaとNahmii。偽装工作した個人もしくは企業が、相場操縦を目的に行った可能性がある。
CoinDeskが4月6日に報じたところによれば、グレースケールがNahmiiの投資信託を米デラウェア州当局に提出したことを報じたが、その後グレースケールのCEOが報道を否定した。「我々が投資信託として検討している対象銘柄は、2月26日のブログポストで公開したリストに限る」と主張した。
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公式のリストには、ThetaもNahmiiも入っておらず、Nahmii側は公式SNSで、グレースケール側と投資信託の組成について検討していないと言及している。
偽装が疑われる書類では、これまでグレースケールが当局に提出してきた書類内容(社名や住所等)とほぼ同じだったが、Nahmiiの綴りを「Nahmi」と誤って表記するなど不自然な点があった。Thetaの提出は今年2月で、Nahmiiは4月だったという。
投資信託のファイリングにある「エンティティ登記」にも不審な点があり、グレースケールのGBTCなどの商品では「法定信託」と記述されているが、NahmiiとThetaだけが「有限責任会社」とされている。
Nahmiiのネイティブトークン「NII」は、6日の報道を受け前日比160%急騰していており、偽装だとすれば相場操縦行為に該当する。
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