ドイツ取引所、仮想通貨関連企業を買収へ
ドイツ証券取引所が仮想通貨事業を拡大
大手証券取引所のフランクフルト証券取引所を運営するDeutsche Börse Group(ドイツ取引所株式会社)が、スイスの暗号資産(仮想通貨)関連企業Crypto Finance AGを買収することを発表した。
Crypto Finance AGは機関投資家向けに仮想通貨のトレーディングやカストディ(200銘柄以上)、資産のトークン化などのサービスを提供する企業。18年にはスイス金融市場監督機構(FINMA)から仮想通貨分野で初の資産運用ライセンスを取得している。
ドイツ取引所は今年の4月にデジタル資産市場の開拓を促進するために、ベンチャー企業「360X」を立ち上げたばかりで、今回の買収を通じて、同社が進めるデジタル資産事業をさらに拡充する狙いだ。
ドイツ取引所のトーマス・ブック取締役はプレスリリースで、「既存金融からデジタル資産への需要が高まっている。この新興業界は金融業界を変えていくと思っている」と話し、買収を通して同社がデジタル資産分野に力を入れている姿勢を強調した。
買収にあたり、ドイツ取引所株式会社はCrypto Finance AGの創業者などの既存株主から全株式の2/3を取得。買収金額の詳細は非公表だが、約120億円(1億スイスフラン)を超えていることが明らかになっている。
ドイツ取引所株式会社が立ち上げた「360X」は不動産や美術品におけるデジタルマーケットプレイスであり、今年後半には製品化して展開する予定がある。また、傘下の株式現物取引システムであるクセトラ(Xetra)では、ビットコインETPや仮想通貨関連株ETFなどの仮想通貨関連商品が取引されており、業界との親和性が高いとみられている。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します