米・独政府、押収したビットコインの競売開催
米国のオークション
米政府機関の一般調達局(GSA)は25日、7回目となるビットコイン(BTC)オークションの開催について通知した。今回5つのロットに分けられた合計4.94BTC(執筆時価格3,550万円相当)が出品されており、オークションは26日に開始され、28日に終了予定。
米国一般調達局(GSA)とは
GSAは連邦政府の調達機関。全米で約3,440万平方メートルに及ぶ賃貸物件の管理から、年間750億ドル(約8兆5300億円)の契約管理まで、調達全般を取り仕切っている。
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GSAオークション(競売)は、連邦政府所有の余剰資産のオンライン決済機関で、政府の備品・設備(車両、科学機器、オフィス家具、収集品など)や押収品、また外国政府からの贈与品など、多様なアイテムが出品される。
GSAが開催する暗号資産(仮想通貨)のオークションは、今年3月に初めて開催されたが、出品された0.7501BTCには204件の入札があり、当時の市場価格よりも約9,000ドル上回る53,104ドル(約600万円)基準で落札された。
6月に行われたオークションでは、ライトコイン(LTC)が初めて出品され、150.2LTCが約15,000ドル(170万円相当)で落札された。これまでの6回の仮想通貨オークションで32BTC以上が落札されており、全オークションの累計収益は150万ドル(約1億7,000万円)だという。
なおオークションの手数料は無料となっている。
米国では昨年2月に、連邦保安官局(USMS)が4,000BTC超(当時の市場価格約40億円、現在はその約7倍)をオークションで売却し、それぞれ約50BTCと3990BTCの落札に2名が成功した。なお落札価格は開示されなかった。
関連:米政府売却の40億円相当のビットコイン、オークションで2名が落札
ドイツのオークション
ドイツでは25日、ノルト・ライン・ウェストファーレン州(以下NRW州と表記)の法務省が、押収したビットコインの初のオークションを開始した。ブルームバーグの報道によると、法務省のオークションプラットフォームには申込者が殺到し、新規登録者は4,000人を超えたという。
オークションでは0.1BTC、0.5BTC、1BTCと10BTCという単位で出品される。入札開始価格は市場価格の80%から95%に設定されているようだ。今回のオークションでは、1BTCあたり42,400ユーロ(約560万円)が入札開始価格として提示されたが、すでに25日午後には54,000ユーロ(約713万円)に達したと同省は発表した。オークションは27日に終了する。
NRW州法務省は、主にダークウェブの捜査で押収した合計215BTCを順次競売にかける予定で、その収益は州の財源となる。
現地メディアLegal Tribune Onlineによると、同省はビットコインだけではなく、ライトコイン、イーサリアム(ETH)、XRP(リップル)、モネロ(XMR)など他の仮想通貨も保有しているとのことだ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します