中国仮想通貨取引所の相次ぐ韓国進出|韓国市場が中国に掌握される恐れ
- 韓国に進出する中国系仮想通貨取引所
- 中国で仮想通貨取引が禁止されてから、OKCoinや、Huobiなどの中国系の大手仮想通貨取引所が韓国に続々と参入してきています。韓国、中国の金融専門家によって開設された取引所であるZeniexも、中国系企業の出資を受けているようです。
- 今後の韓国の仮想通貨市場
- この現状が続くと、韓国の仮想通貨市場が、中国系取引所によって牛耳られてしまうのではないかと懸念されていることからも、この問題に対する韓国の次なる対応が非常に重要になると考えられています。
韓国の仮想通貨市場への関心の高まり
韓国は、2017年9月に国内ICOを全面的に禁止していましたが、5月29日に、同国の国会がICOを再び合法化させる法案を提出し、国内インターネット大手のKakaoや世界有数の仮想通貨取引所Bithumbが独自トークンの発行を検討していることからも、仮想通貨業界のさらなる活発化が期待されています。
さらに、韓国の金融監視機関である韓国金融監督院(FSS)も、G20会議を受け
「仮想通貨が資産として定義されることは確定されたようなものです。
よって、G20にて合意される統一された枠組みのなかで、どのように適切に規制を行なっていくかに焦点を当てていくべきだと考えています。
現時点での韓国の状況は芳しくありませんが、改善に向け取り組んでいく方針です。」
とコメントしていることからも、韓国の今後の仮想通貨分野において適切な整備が行われていくことが示唆されています。
中国取引所の流入
しかし、中国で仮想通貨取引の規制が行われてから、OKCoinや、Huobiなどの大手取引所が韓国へ進出してきており、今後韓国の仮想通貨市場が、中国系の仮想通貨取引所によって牛耳られてしまうのではないかと懸念されています。
2013年に中国にて創業され、以前、中国最大の取引所にまで成長したOKCoinも、韓国大手ゲーム会社であるNHN Entertainmentと提携し、韓国にてベータ版サービスを提供しています。
韓国メディアのNews1では、同国取引所のBithumb、Upbitよりも多くの通貨取引ペアを提供することを検討していると記述されました。
OKCoinのCEOを務めるChris Lee氏も、韓国市場は、OKCoinが進出し、取り組んでいくべき非常に重要な市場であることを強調しています。
さらに、2013年に開設され、取引高で世界第3位を誇る仮想通貨取引所であるHuobiも3月30日に韓国への進出を果たし、約100種類の仮想通貨の取引を開始しています。
そして、韓国及び、中国の金融専門家たちによって設立された仮想通貨取引所であるZeniexも韓国でのサービスを開始しました。
Zeniexは、中国大手のセキュリティ会社であるQihoo 360や、ブロックチェーン・仮想通貨メディアなどの多くの中国企業からの支援も受けています。
このように、中国での仮想通貨取引規制後から、多くの中国資本の仮想通貨取引所が韓国に進出してきており、今後、韓国の仮想通貨市場が中国によって掌握されてしまうのではないかと懸念されています。
韓国は、日本や、アメリカのように、仮想通貨取引所を開設する際に、認可を必要とせず、開設を特別取り締まる規制も整備されていないことが原因として挙げられていることから、韓国の次なる対応が、今後の韓国の仮想通貨市場を左右する大きな鍵となるのではないでしょうか。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します