バハマ政府、仮想通貨を試験的に導入へ|島国でブロックチェーン導入の動きが進む
- バハマ政府がブロックチェーンによる個人情報処理の構想を発表
- 6月20日から22日かけてバハマで行われたブロックチェーンカンファレンスの中で、バハマの副大統領兼財務大臣が講演し、独自仮想通貨発行や、ブロックチェーンによる行政のデジタル化の構想を語りました。
- ブロックチェーンは島国の生活の利便性を向上させるか?
- 最近は、バハマ近隣の島国で政府が仮想通貨やブロックチェーンの導入を主導する動きが見られます。このような島国では、交通が不便であったり、行政サービスが行き届かないケースが多く、国民の利便性向上のために政府が行政や金融サービスのデジタル化を積極的に検討しています。
6月20日から22日にかけて、バハマで「バハマ・ブロックチェーン・仮想通貨カンファレンス」が行われました。
カンファレンスでは、ゲストスピーカーとしてPeter Turnquest副首相兼財務大臣(以下、Turnquest氏)が講演を行いました。
デジタル決済サービスがバハマ国民の生活水準を向上させる
バハマ中央銀行は、政府が発行する仮想通貨の導入を計画しています。
Turnquest氏は、島国であるバハマの国民の生活水準を向上させるためにデジタル決済サービスが不可欠であると考え、以下のように述べております。
完全なデジタル決済サービスを開発することは、現代の政治を前進させる手段となります。
バハマの仮想通貨は、特にファミリーアイランドにとって重要になります。
なぜなら、ファミリーアイランドでは多くの商業銀行が人員を削減したり撤退したりしており、島民は銀行サービスが受けられない状態に陥っているからです。
島国であるバハマは、交通が高齢者を中心に多くの人々にとって不便となり得るし、費用もかさみかねないです。
したがって、我々は金融サービスをデジタルでかつ安全に提供しなければなりません。
ブロックチェーン技術を用いた個人情報処理の構想
同氏は近い将来、バハマ政府が国立研修庁の修了生に対し、ブロックチェーン上で修了証を発行する試験的なプログラムを開始する予定だと付け加えました。
これによって、修了生が修了証の情報を管理できるようになることが期待できます。
さらに政府はライセンスやパスポート、国民保険にブロックチェーン技術を用いて、安全かつ認証可能な方法で個人の認証情報を管理したりシェアしたりすることを構想しています。
同氏はブロックチェーンで個人の情報を処理する利点を次のように述べています。
テクノロジーと単一な窓口を利用することで、汚職を蔓延させる人的要因の多くを取り除くことができます。
さらに、全ての行政のプロセスを処理できる単一のポータルがあれば、私たちバハマ人が言うところの、「サービスを受けるにはチップを渡すべし」といった状況をなくすこともできます。
島国でブロックチェーンの活用に向けた政府の動きが進む
バハマ近隣の島嶼国でも、最近、政府による仮想通貨やブロックチェーンの導入の動きが見られました。
マーシャル諸島共和国では、法的な根拠を持つ政府発行の独自仮想通貨として、「Soverign(ソブリン)」の発行法案が3月に可決され、米ドルと共に法定通貨として流通させる方針が発表されています。
また、バミューダ諸島では、4月に仮想通貨とICOに関する規制草案を発行し、仮想通貨産業の法整備を進めています。
バミューダ諸島は4月に、大手取引所バイナンスと、現地の大学とブロックチェーン関連企業への最大16億円の投資協定を締結しています。
このような島国では交通が不便であったり、行政サービスが行き届かないケースが多いことが、政府が仮想通貨やブロックチェーンの導入を検討する要因になっています。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します