JPモルガンがブロックチェーンを利用したICO発行を目論むか

JPモルガンチェースに新たな動き
米国大手投資銀行JPモルガン・チェース(Morgan Chase)は、ブロックチェーンを使ってバーチャル預託証券を発行する分散型システムの特許を申請中であることが判明した。
預託証券(Depositary Receipt)とは
ある国の発行会社の株式を海外でも流通させるため、その会社の株式を銀行等に預託、その代替として海外で発行される証券のことを指す。アメリカのADR(米国預託証券)が有名。 国によって規則や制度が異なるため、直接証券の受け渡しが難しい海外の企業でもDRを通して国外で資金調達が可能となる。

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ICOに該当する可能性も

7月19日に、米国特許商標局が、JPモルガンが今年の1月に申請に出した特許申請書 を公開しました。

同申請書によれば、JPモルガンは、ブロックチェーン技術を利用して、アセット(資産)をトークン化し取引できるような「分散型ネットワーク」を計画する格好です。

セキュリティ(有価証券)トークンを作る仕組みとして、まずアセットの所有者もしくはブローカーは、そのアセットを管財人に抵当(担保)します。管財人は預けたアセットをバーチャル預託証券の発行に権限を与えるような形で実現させます。

注目すべき点は、企業が行うIPOに特化したこのシステムは、新たな形のICOになり得ると考えられている点です。

つまり、米国SECの管轄範囲に入る可能性が高い、と言えるでしょう。

JPモルガンの狙いとは

今回の申請について、同社のブロックチェーン開発部のリーダを務めるChristine Moy氏は

「我々は、ブロックチェーン対応のキャピタルマーケットにおける応用でどのように顧客と同業者に利益が生じるかを探索しようとしている」

と、方針を明かしました。

JPモルガンは、過去に独自で構築したQuorumという企業に向けた、ブロックチェーンで債券の発行のシミュレーションを行った経緯があります。

今後、JPモルガンのような大手機関投資家がどのように仮想通貨技術を取り巻き、SECといった規制当局とどのように対応を講じていくか期待できると言えるでしょう。

JPモルガンが仮想通貨資産戦略部を新設、29歳のホープを任命しました。2017年には、CEOのJamie Dimon氏がビットコイン批判を繰り返して波紋を呼んだが、2018年になると態度を軟化。顧客のデマンドを満たすために舵を切った格好です。
停滞する仮想通貨市場のトレンド転換点となり得る「ビットコインETF」の上場に向け、SEC公式サイトで意見を募っている。申請可否の判断については、8月前半に行われる可能性があると各所で予想されている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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