Web3ゲーム企業HyperPlay、最大手デジタルウォレットMetaMaskと連携
デスクトップゲーム業界をターゲットに
主要暗号資産(仮想通貨)ウォレットMetaMask(メタマスク)は3日、新たなWeb3ネイティブのゲームランチャー「HyperPlay」を紹介。「すべてのデスクトップゲームにメタマスクを導入する」ために連携して構築したと発表した。
ゲームランチャーとは、ゲーム関連機能を一括にまとめたもの。
メタマスクは、イーサリアム(ETH)基盤の通貨やNFT(非代替性トークン)を管理できる仮想通貨ウォレット。
イーサリアム関連の大手開発企業ConsenSys社が開発をサポートしている。様々なdApps(分散型アプリケーション)や、ブロックチェーンゲーム、DEX(分散型取引所)と連携できる汎用性の高さが評価されており、月間アクティブユーザー数は3,000万を超えている。
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HyperPlayは「Web3ゲームの完全な相互運用性の実現」を目指している。HyperPlayを使うことで、プレイヤーは自身のデジタルウォレット、暗号資産(仮想通貨)トークン、保有するNFT(非代替性トークン)といったデジタル資産をデスクトップゲームに取り込むことが可能になる。
例えば、プレイヤーがランチャー経由でウォレットに接続すると、ウォレットで保管されているトークンやNFT、ゲームの実績などを、ランチャーがサポートする異なるゲーム間で利用できるようになるという。
HyperPlayが現在サポートしているウォレットはメタマスクとWalletConnect。
Web3.0
Web3.0は、現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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サポートするOSと機能
HyperPlayは、Windows、Linux、MacOS、SteamOSをサポートするオープンソース・ゲームランチャーで、Web3の機能を備えている。Epic Games StoreとGOGをサポートしており、両プラットフォームからリリースされたすべてのゲームをプレイすることが可能となっている。
すぐに利用できる、主な機能としては次のようなものがある。
- 既存のEpic GamesまたはGOGアカウントでのログイン
- メタマスクまたは WalletConnect モバイルウォレットとの接続
- HyperPlayからEpic Games及びGOGストアへの直接のアクセス
- ゲームのインストール、アップデート、修復や移動
- インストール済みのゲームのインポート、EXEファイルからのゲームのサイドロード
- Epicゲームをオンラインでプレイ可能
- 既存のEpic Games Storeとインストールしたゲームを同期する
- クラウドと保存を同期する
また、今後追加が予定されている機能には、NFTベースの実績システム、メタマスク・エクステンションのオーバーレイ、トランザクションの自動承認機能などがある。また、他のゲームストア(Humble Bundle、IndieGalaなど)のサポート、GOGゲームのオンラインプレイ、SteamOSのサポートなども予定されているという。
HyperPlayは、約40の言語に部分的に翻訳されており、日本語も含まれている。
ロードマップ
メタマスクのグローバル製品主任であるテイラー・モナハン氏は、HyperPlayのローンチはゲーム業界にとって重要な節目となると次のように述べた。
ゲームはメタマスクで最も人気のあるユースケースの1つであり、この節目は、プレイヤーがメタマスク・ウォレットをデスクトップゲーム全般に持ち込む初めての事例となるため、非常に重要だ。
HyperPlayの公式サイトによると、開発者向けのアルファ版は今月16日に公開、一般向けのベータ版は来年2月に公開予定となっており、現在、予約申し込みの受付中だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します