三菱UFJ信託銀行ら、ステーブルコインの導入・普及に向けた実証検証へ パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループを設置
ステーブルコイン・ワーキンググループの設置
三菱UFJ信託銀行株式会社は11月30日、同社が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」に、「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ」を設置したことを発表した。
主要な金融機関、取引所/PTS、証券会社、暗号資産交換業者、ソフトウェア会社及び法律事務所等の計42組織が参画する。
このワーキンググループは、グローバルな競争力を持つ国産ステーブルコインの導入及び普及を目的としたもの。23年に施行予定の改正資金決済法に向けて、民間事業者の意見を取りまとめ、関係当局との調整を図る。
海外Web3(分散型アプリ)プロジェクトへの投資や主要なNFT市場の利用、さらには暗号資産交換業におけるカバー取引など、主に海外型のステーブルコインに資金が流出している現状に歯止めをかけるねらいだ。
そのためには、既にNFT(非代替性トークン)や暗号資産(仮想通貨)の発行・流通のプラットフォームとして実質的な標準仕様となっている「パーミッションレス型ブロックチェーン」に内在するリスクを洗い出し、スキーム・技術上の課題解決を探る必要がある。
例えば、ステーブルコイン発行基盤の資産管理体制、企業が集権的に管理するパーミッション(許可型)チェーンとの相互運用、銀行振込やクレジットカード決済を採用する場合にブロックチェーンとの符合に生じる負荷軽減などの課題が想定されている。
今後の見通しとしては、22年内を目途にパーミッションレスSC導入に必要なスキーム案および機能を公表予定。
2023年初頭より、デジタルアセット共創コンソーシアムが主導するデジタルアセット発行・管理プラットフォーム発行・管理基盤「Progmat」でステーブルコインProgmat Coin(プログマコイン)を作成。国内規制に即した業務・システムの設計、合意形成、及び社会実装を開始する計画だ。
パーミッションレスとは
管理者の許可なく、誰でもネットワークにアクセスできるという意味。主な特徴としては、透明性、データの可用性、データの相互運用性などを挙げることができる。ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーンは、政府や銀行・企業などの中央機関を介在させずに取引を可能にしている点でパーミッションレスと数えられる。
▶️仮想通貨用語集
ワーキンググループの加盟組織
パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループには国内有数の暗号資産交換業者が含まれている。同組織に参画している主な機関は以下の通りだ。
〇銀行- 株式会社三井住友銀行
- 三井住友信託銀行株式会社
- 三菱UFJ信託銀行株式会社その他金融機関2行/社
- 株式会社SBI証券
- 岡三デジタル証券準備株式会社
- KDX証券設立準備株式会社
- 大和証券株式会社など
- SBI VC トレード株式会社
- FXcoin株式会社
- 株式会社カイカエクスチェンジ
- コインチェック株式会社
- Coinbase株式会社
- 株式会社DMM Bitcoin
- BTCボックス株式会社
- ビットバンク株式会社
- 株式会社bitFlyer
- 楽天ウォレット株式会社
- 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(ステーブルコイン部会)
- 経済産業省
- 一般社団法人日本暗号資産取引業協会など
パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループが設置されたデジタルアセット共創コンソーシアムは、「Progmat」を軸にブロックチェーン/分散型台帳技術のオープン化に関するワーキンググループを開催している。これまでには「Progmat5.0プロジェクト」、「資金決済WG」が設置されてきた。
三菱UFJ信託銀行株式会社は22年2月、ブロックチェーンやNFT技術を応用したProgmat UT(プログマユーティー)サービスと、デジタルアセット用のウォレットサービスの開発を開始したことを発表した。
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