米司法省、FTX前CEOら保有の米ロビンフッド株600億円相当を押収 ロビンフッド株と現金を差し押さえ
ロビンフッド株と現金を押収
米国の司法省(DOJ)が、破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマン=フリード前CEO(以下「SBF」)らが所有していたロビンフッド(HOOD)社の株式5,500万株以上と、27億円相当の米ドルを押収したことが明らかになった。
米国で投資アプリを提供するロビンフッド社の株価は8.55ドル(執筆時点)。5,500万株は時価600億円(4億5,600万ドル)に相当する。22年11月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)に基づく破産申請を行ったFTXの資産整理の一環で、FTX債権者(融資会社BlockFiなど)、SBFらの間で法廷闘争の対象となっていた。
ジョン・レイ新CEO率いるFTXの現経営陣は、12月末にこれらのHOOD株の凍結を要請していた。DOJの差し押さえにより、執筆時点でいずれの当事者も株の所有権を有していない。
6日にDOJが米国ニュージャージー州破産裁判所に提出した文書によると、押収されたHOOD株は、SBFとFTXの共同創設者Gary Wang氏の持ち株会社(Emergent Fidelity Technologies)を通じて所有したもの。英国系列の金融ブローカーED&Fマン・ キャピタル・マーケッツの口座に保管されていた。
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SBFは異議申し立て
押収された資産は、マネーロンダリングや電信詐欺などの犯罪に関わる刑法、および民法違反の収益、またはそれにつながる財産とみなされている。SBF被告に対しては22年12月9日、電信詐欺の共謀、電信詐欺、商品詐欺の共謀を含む8項目の起訴状が提出されていた。
SBF被告は3日の公聴会で8つの刑事告発について無罪を主張しており、公判は23年10月2日から開始することが決定した。
HOOD株5,500万単位の9割を所有していたSBFの弁護士は6日に文書を提出。「Emergentは破産の当事者ではない」としてDOJの動きに異議を主張した。HOOD株を弁護士費用に充てる計画だったという。
米連邦政府は、ロビンフッド株に限らず、FTXに関連する多くの資産を押収する方針を示している。米司法省の弁護士、Seth Shapiro氏は「FTXと取引してきたSilvergate銀行を初め、民事または刑事の犯罪収益の没収手続きを進めている」と1月4日に破産裁判所の公聴会で語っていた。
FTXの現経営陣は1月8日、破産手続きに基づいて売却を検討する4つの事業につい、約117の事業体が入札に関心を示していると公表した。日本の取引所FTX Japanの入札には約41の事業体が関心を持っているという。
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