ビットコイン価格下落を耐え抜くも、投資家が再び中国政府の動きに危機感を感じる理由|仮想通貨市況
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- ビットコイン相場は24日、9つのビットコインETF否決による相場を重要サポートラインを割ることなく耐え抜き、相場は再度上向きに転換。 中国政府の今後の動きに仮想通貨市場の長期的な危機感が感じられる展開に。
仮想通貨市場
ビットコイン相場は24日、9つのビットコインETf否決による相場を重要サポートラインを割ることなく耐え抜き、相場は再度上向きに転換して順調な価格を推移させています。(19時30分時点)
昨日の否決時点で70万円を一時割ったものの、上昇に転じたことは、ETFによる投資家心理の悪化がすでに抑えられていた点でプラスに捉えることができます。
また、本日ETF後の値動きを上昇方向に後押しした要因は、日本時間24日早朝、SECが前日否決した9つのETFを、異例の再審査を行う旨を公表したことが挙げられます。
今回再審査が行われた経緯として、仮想通貨コミュニティで「クリプトママ」と称されるSECのHester Pierceコミッショナーが主導したことで実現したと考えられているものの、「非承認の決定」を覆すためには、意思決定権を有するコミッショナーの過半数が必要なことからも、これによる判断の覆しが起きるのは厳しいと考えられます。
しかし、SECのコミッショナーから異議が出され、再審査に至ったという事実は、極めて重要な意味を持ち、次回の可否判断を9月後半に控える本命Cboeの審査状況にも、プラスに働くと思われ、重要な動きであると言えます。
Cboe関連VanEck版ビットコインETFの可否判断期限は、9月30日に設定こそされてはいますが、その可否判断は最大240日(2019年2月頃)まで伸ばすことができることから、SECは判断を先延ばしにする可能性が高いのではないか、とアメリカ投資会社BKCMのCEOを務めるBrian Kelly氏は、CNBCの投資番組内にて語っています。
ビットコインETFに限らず、過去のETF申請許可も可否判断日程が延期されることはよく行われることである事や、SECが現在慎重な審査を進めていることを加味すると、最長の可否判断日程が選択されることは考えておく必要があります。
依然、将来的になビットコイン、仮想通貨市場の広がりという面で、Cboeの最終可否判断まで期待されるETFとなりますが、昨日の仮想通貨市況「ビットコイン弱気相場払拭ならず・昨日の暴騰の全容が明らかに」でもお伝えした中国の動きに大きな翳りが見え始めています。
第二次仮想通貨チャイナショックの危惧
2017年9月、中国政府による仮想通貨全面禁止政策が発表、共産主義である中国の動きは早く、当時世界の仮想通貨取引量の大半を占めていた中国元(CNY)の取引所からの取引量が事実上ストップしました。
その政策から早1年、中国政府は通常1年経過したら実行した規制の効力を再検討する傾向があるとされる中で、取引所での取引禁止が実行された後に規制の網を掻い潜り、継続して実行されるボーダーレスとなる仮想通貨取引の規制を強めてきている状況が、ここ3日の動きで明確になりつつあります。
直近3日間で動きが観測された、中国関連の規制強化の動きは以下の通りです。
WeChat上の仮想通貨関連アカウントの封鎖
北京市朝陽区地元政府機関、仮想通貨関連イベントを完全に禁止
中国規制当局、124の海外取引所へのアクセスをブロック
ICOなど法の抜け道となるサイトの閉鎖
中国ITの巨人Alibaba、中国政府による仮想通貨OTC取引の監視に協力
仮想通貨・ブロックチェーン詐欺に関する注意喚起
この様に、抜け道を見つけて取引を続ける中国在住の投資家に対する締め付けを大きく強化する動きが観測されています。
この中ですでに禁止されていた旧中国3大取引所へのアクセスだけでなく、BinanceやBitfinexなど主要取引所へのアクセスはすでに制限されている中で、海外取引所全域まで規制が拡大されることも危惧すべき点ではありますが、最も危惧すべき点は、中国国内のOTC取引への規制強化であると言えます。
OTC取引とは
over the counterの略。 証券会社や銀行など、金融機関等の「店頭カウンター越し」に取引を行うこと、もしくは取引所を介さない相対取引のこと。
これは本日、中国の有名メディア新京報が報じた事で明らかになった、Alibabaの傘下に置かれる決済専門企業Ant Financial社が、Alipayという決済アプリを通し、中国政府による仮想通貨OTC取引の監視に協力するというニュースに起因します。
直接的な影響としては、中国を中心に取引所が有するOTCプラットフォーム以外にも、エスクローサービスを有するP2P取引仲介サービスを提供する個人向けOTCアプリケーションは多く存在しており、ウィーチャットペイ決済などを利用して決済を行なっていた部分がこの影響を受けると思われます。
エスクローとは
商取引の際、信頼の置ける第三者を仲介させて、取引の安全を担保する第三者預託のこと。 ビットコインのマルチシグネチャ技術を活用することで、売買の当事者同士でエスクローを行うことができる。
また、中国人投資家は、昨年の政府主導の禁止措置の後も、海外取引プラットフォームに逃げる形で取引を継続させている他、上記の様なCNY建でのOTC取引をメインで取引を継続させています。
このチャートでもわかるように、昨年の禁止措置後も大きな取引量を維持、より続伸させる形で取引高を拡大しているOTC取引でありますが、これはOTCプラットフォームの一つ「Local Bitcoin」のチャートであることから、Bitkanや他のOTC取引プラットフォームを含めるとかなりの取引高が、現在も維持されています。
2018年1月に、ゴンシャン副総裁が、仮想通貨取引をより厳格に規制するために、国内のOTC取引所を完全閉鎖する意向を示したことがブルームバーグなどの報道で明らかになりましたが、OTC取引の決済に必要なAlipayなどが協力して厳格な規制体制が強化される動きは、かなり厳しい状況に追い込まれる可能性があります。
OTC取引高は、板取引のデータには直接影響しないため、直接的な昨年のチャイナショック時のインパクトはないと考えられますが、取引所での取引高、流動性の欠如が危惧されている中で、中国内でのOTC取引が制限された場合、取引所外の取引高がじわじわと減少する可能性があり、長期的な目でみる「第二次チャイナショック」につながる可能性があります。
すでに3日連続で、中国関連規制の強化が報道されて明らかになっている中で、明日以降、中国関連の動きはより注視してみていく必要があると言えます。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
本日も、日経平均株価と新興指数共に好調だった上、オルトプラスが2営業日連続でストップ高を付けたことで、触発されたゲームセクターが全面高。
ブロックチェーンゲーム思惑のあるアクセルマーク(3624)が大きく買われて7.03%高となりました。
同社は、第一弾ブロックチェーンゲームタイトルを『コントラクトサーヴァント -CARD GAME-』に決定しており、仮想通貨イーサリアム(ETH)で動作する本格派トレーディングカードゲームとして期待を集めています。
また、マーケットプレイス以外のバトルや強化などのゲーム部分をオフチェーン化する事で軽量化。Gas代(手数料)を極力抑えるユーザーフレンドリーな設計を強調しています。
有望視されている仮想通貨(ブロックチェーン)関連株の最新情報は、以下の記事でまとめているので参考にどうぞ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します