米メタ社、VRフィットネスアプリWithin買収に一歩前進=報道 2022年第4四半期決算も発表

米連邦地裁がFTCの申し立て却下

米メタ(旧フェイスブック)社は、VR(仮想現実)アプリメーカー「Within Unlimited」の買収に向けて一歩前進した。ブルームバーグなどが報じた。

米連邦取引委員会(FTC)は2022年7月、メタ社によるWithin買収の動きが独占禁止法に違反するとして、差し止めを求める訴訟を起こしていた。しかしこの度、FTCによる申し立てを米連邦地裁が却下したことで、買収が可能になる形だ。

判事は、メタ社に1週間買収を控えるよう命じている。これは、FTCに判決を不服とするかどうかを判断する時間を与えるためだ。

Withinは、独立系のVR開発スタジオで、メタ社のVR端末を利用した人気のフィットネス・アプリ、「Supernatural(スーパーナチュラル)」を設計・開発している。

訴訟を起こした際、FTCのジョン・ニューマン競争局副局長は、メタ社が商品の価値で競おうとするのではなく、企業買収によりトップへの道を築こうとしていると主張し、「違法な買収にあたる」としていた。

買収が認められた場合、イノベーションの阻害や、消費者の選択肢減少などにつながり、競争圧力が低下して、独占禁止法に違反するとも申し立てていた。これに対してメタ社は、Withinの買収は「ユーザーや開発者、VR空間にとって良いものになると確信している」とコメントしていたところだ。

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22年4Q決算報告

メタ社は1日、2022年第4四半期(10~12月)の決算報告を行った。2022年4Qの収益は、前年同期比4%減の約4兆円(321億7,000万ドル)、2022年一年間では、前年比1%減の約15兆円(1,166億1,000万ドル)だったと発表している。

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これについては為替変動の影響もあったと説明。為替レートが前年と同じであった場合、4Qは前年比で2%、年間では前年比4%の増加だったとも補足した。

Facebookのデイリーアクティブユーザーは、2022年12月平均で20億人、前年比4%増となった。また、メタ社アプリで配信された広告インプレッションは4Qで前年比23%増、広告単価は前年比22%減だった。通年では、広告インプレッションは前年比18%増加し、広告単価は前年比16%減少している。

メタ社の売上高はアナリストの事前予想を上回っており、さらに約5兆円(400億ドル)の自社株買いを発表したことも評価されて、株価は米国の時間外取引で一時、18%以上上昇した。

メタバース部門の損失続く

一方で、メタバース事業部門であるReality Labsは、4Qに約5,500億円(42億8,000万ドル)の営業損失を計上。2022年全体での損失合計は約1.8兆円(137億2,000万ドル)に達している。

Reality Labsの4Q売上は約930億円(7億2,700万ドル)だった。2022年全体の売上は、約2,800億円(21億6,000万ドル)で、2021年全体の約2,900億円(22億7,000万ドル)から減少していた。

メタ社は、メタバースへの先行投資により損失が拡大していくことをあらかじめ予測しているところだ。22年10月時点で「2023年度についてもReality Labsの営業損失が、前年度比で大幅に増加すると見込んでいる」と述べていた。

2024年以降については、長期的に会社全体の営業利益を増加させるという目標の下で、Reality Labsへの投資ペースを調整していく予定だとも続けている。

メタ社は22年10月、企業向けの新たな仮想現実ヘッドセット「Meta Quest Pro」を発表。価格は、従来型よりも高価な約19万円(1,500ドル)としていたが、発売からわずか3ヶ月で期間限定セール(英米のみ)として400ドル値下げされている。

メタバースとは

インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。アバターを使い、様々な楽しみ方ができる。例えば、『The Sandbox』というゲーム内のメタバースでは、ボクセルアート制作ツールやゲーム制作ツールが提供されており、ユーザーはそのなかで自作のゲームや施設を作ることができる。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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