ステーブルコイン発行企業Paxos、米規制当局から調査か バイナンスUSD (BUSD)発行企業
Paxosを米通貨監督庁が調査か
米ステーブルコイン発行企業Paxosが、米通貨監督庁(OCC)から国法銀行免許の申請を取り下げるよう求められていると、Fortune誌によって9日に報じられた。
Paxosは2種類のステーブルコイン「Paxドル (USDP)」と「バイナンスUSD(BUSD)」を発行している。特にBUSDは大手仮想通貨取引所バイナンスブランドとして広く流通している。執筆時点の時価総額は2兆円(1,616億ドル)に上り、バイナンスでも主軸通貨として取引されている。
PaxosはOCCによる免許申請の取り下げに関する報道内容を否定し、国家信託銀行の認可申請はまだ進行中であると主張した。
Paxosは、OCCからナショナル・トラストバンクチャーターの申請を取り下げるよう求められていない。チャーターを拒否されたこともない。Paxosは引き続きOCCと建設的に協力していく。
Paxos(Paxos National Trust)社は、2021年4月にOCCから「国法銀行免許に関する“条件付き”の承認」を受けて、カストディサービス、ステーブルコイン管理、支払い、交換、その他のサービスを提供するエンティティとして規制上認可された。
条件付き承認とは、事業計画に基づいた暫定措置ということ。その実現までに18か月が与えられていたが、その期限は過ぎているため、この度の報道との関係性も推測されている。
NYDFSも別途調査か
Paxosのステーブルコインはまた、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の承認を受け、監督されている。この規制により、主にステーブルコインの準備金の管理方法が監督されている。
米仮想通貨メディアCoinDeskは10日、NYDFSがPaxosを調査していると独自調査に基づいて報じているが、その調査内容は非公開とされている。
NYDFSは22年6月、テラ(旧LUNA)ショックを受けてステーブルコインの「取り付け騒ぎ」を防ぐため、ステーブルコイン発行者の資産と準備金の分離、及び裏付け資産の定期報告を行うようライセンス所有事業者に指示した。
さらに23年1月にNYDFSは、企業に顧客の仮想通貨を混合保持しないよう求める、新たなガイダンスを発行していた。昨年11月に経営破綻していた仮想通貨取引所FTXの杜撰な管理体制と詐欺の手口が明らかになっており、これに対応したものと見られる。
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