はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

テザー社、準備資産の最新報告 担保付ローン削減

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

充分な準備金を保持

暗号資産(仮想通貨)の米ドルステーブルコイン「USDT」などを発行する米テザー社は9日、2022年12月31日付の準備資産に関する報告書を公開した。担保付きローンを削減しており、発行トークンを支えるのに充分な準備金を保持し続けていることを示している。

テザー社の連結資産総額は約8.8兆円(670億ドル)以上あり、連結負債総額の約8.7兆円(660億ドル)を上回っていた。準備金の負債に対する超過分は、少なくとも約126億円(9億6,000万ドル)存在した形だ。負債は、ほとんどが発行済みトークンに関連するものだと説明している。

この報告書は、世界でも最大手の会計事務所の一つ、BDOインターナショナルが保証意見書として作成したものだ。

テザー社が、担保付ローンを約395億円(3億ドル)削減したことも報告。経緯としては、昨年12月にウォールストリートジャーナルが、テザー社は自社保有トークンを顧客に貸し出す量を増やしており、何か危機が起こった際に償還できなくなる可能性があると報じていたことがある。

テザー社は報道を受けて、ローンは短期であり、貸し出し先には流動性の高い担保を要求していると説明。また、今後はこうした担保付ローンをゼロにしていくと述べていた。担保付ローンは、2022年9月30日時点で約8,000億円(61億ドル)に達していたところだ。

まだ一部ではあるが、報道から一か月の間に約束通り、担保付ローンを減らすために動き出していることを示している。

関連米テザー社、USDTの資産信頼性を強化へ

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

4Qに900億円以上の利益

さらに、コマーシャルペーパーの割合についてもゼロを維持しており、安全性の高い米国財務省証券に割り当てられた資産の割合は、これまでで最高の58%以上となった。

コマーシャルペーパーとは、企業が短期で資金調達する際に発行する無担保の約束手形。テザー社が準備金として保有していた分について、契約先企業が不明であるなど問題視する声が上がったことを受けて、同社はこれを段階的に削減。2022年10月には、コマーシャルペーパーを準備金から完全に削除していた。

また、テザー社は昨年約2.8兆円(210億ドル)以上の償還を行い、4Q(10~12月)に約922億円(7億ドル)以上の利益を生み出したと報告している。同社のパオロ・アルドイノ最高技術責任者は、次のように説明した。

当社は、2022年の暗号資産(仮想通貨)市場混乱の中で、210億ドル以上の償還をスムーズに実行できた。それに加えて、100億ドル以上のUSDTを発行しており成長を続けている。

第4四半期は、7億ドル以上の利益を生み出し、準備金を増やした。

当社が、仮想通貨業界の信頼を回復する動きを取り続けていることを誇りに思う。

新興国でも金融包摂を提供

テザー社は2022年10月、地元企業と協力して、ブラジルの2万4,000台以上のATMでUSDTを利用できるようにした。その二か月後には、ATMにおけるブラジル・レアルの取引高のうち50%以上をステーブルコインが占めるようになったと報告している。

テザー社は1月末に公式サイトの記事で、USDTは、法定通貨の価値が不安定、信頼性ある決済手段の不足などの問題を抱える国々に、アクセスしやすい米ドルの流動性を供給できると説明した。ブラジルの他、アルゼンチン、レバノン、トルコ、ミャンマー、アフリカ諸国でも人々に金融アクセスを提供していると述べる。

関連テザー社、ブラジルのATM2万台超でUSDTを利用可能に

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/08 土曜日
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。
11/07 金曜日
18:34
金融審議会・第5回会合、暗号資産レンディングの規制強化について議論 金商法適用案も
金融庁は7日の第5回金融審議会で、暗号資産レンディング事業を金商法の規制対象とする方針を示した。年利10%台のサービスで利用者がリスクを負う一方、事業者に管理義務がない点が問題視された。
18:16
米証券大手チャールズ・シュワブ、2026年に仮想通貨取引開始へ
米証券大手チャールズ・シュワブが2026年上半期にビットコインとイーサリアムの現物取引を開始。顧客資産約1800兆円を持つ同社の参入で仮想通貨市場の主流化が加速へ。
18:00
Polymarket(ポリマーケット)とは?仕組みや将来性をわかりやすく解説
Polymarket(ポリマーケット)とは、未来の確率をUSDCで売買する分散型予測市場。米大統領選で注目を集め、Google Financeにも統合。仕組み、特徴、課題、今後の展望をわかりやすく解説。
16:18
ロビンフッド幹部、ビットコイン財務戦略は「検討中」
米ロビンフッドがビットコイン財務戦略導入を検討。第3四半期の仮想通貨収益は300%超急増の約413億円を記録。上場企業のBTC保有トレンドが加速する可能性。
14:05
著名投資家ダリオ、FRBの量的緩和再開はバブル加速への引き金 更なるインフレリスクを警告
ブリッジウォーター創設者レイ・ダリオ氏が、FRBの量的緩和再開は従来と異なり「バブルへの刺激」になると警告している。現在の状況下でのQE拡大は、実質金利の低下や株価収益率の上昇につながり、テック/AI/グロース株や、金などの価格を押し上げる可能性がある。
13:35
ビットワイズ、ドージコインETFの20日以内上場を目指す動き=ETF専門家
ビットワイズがドージコインETFで「8(a)手続き」を採用。ブルームバーグアナリストによると、11月6日の予備目論見書提出から20日後の11月26日頃に自動承認される可能性。SECの介入がなければ上場実現へ。
13:10
サークルとコインベース、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」施行で重要な提言
サークル社とコインベースが米財務省にジーニアス法施行に関する提言を提出した。ステーブルコインの公平な競争条件の確保や利回りをめぐる過剰規制の回避などを求めている。
13:01
日本3メガバンク共同でステーブルコイン発行へ、金融庁が「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト」を支援 
金融庁が決済分野に特化したプロジェクトを新設し、みずほ・三菱UFJ・三井住友の3メガバンクによる共同ステーブルコイン発行を初の支援案件として承認した。信託型の枠組みで100万円の送金上限が撤廃され、円建てに加え米ドル建ても視野に。片山財務相も支援を表明し、国を挙げた金融イノベーション推進が本格始動する。
11:41
仮想通貨市場の投資家心理は最低水準、10万ドル節目の攻防続く
ビットコインが6月以来初めて10万ドルを割り込み、10月高値から20%超の急落。長期保有者による416億ドルの大量売却と、ETFからの9億ドル流出で市場は動揺している。個人投資家のセンチメントは過去最悪レベルに落ち込む一方、Bitwise幹部は機関投資家の投資意欲は旺盛で、年末の最高値更新もあり得ると指摘した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧