はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米テザー社、USDTの資産信頼性を強化へ 担保付融資をゼロに

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「担保付融資」に関する懸念を払拭する狙い

暗号資産(仮想通貨)の米ドルステーブルコイン「USDT」などを発行する米テザー社は13日、今後から2023年中にかけて、USDT準備金のうち担保付融資をゼロにすると発表した。

背景としては、ウォールストリートジャーナルが1日に、テザー社が自社で保有するトークンを顧客に貸し出す量を増やしており、危機の際に償還できなくなる可能性があると報じたことがある。

こうした「担保付融資」は、2021年末時点では約5,600億円(41億ドル)でテザー社総資産の5%だったが、今年9月30日時点で約8,300億円(61億ドル)に達しており、同社総資産の9%を占めるに至っていた。

テザー社は、こうしたUSDT建ての融資について、「適格な顧客にのみ」貸付を行い、借り手に対しては、「米ドルで売却できるような流動性の高い担保」を要求していると説明。ローンは短期であるとも述べている。

貸付事業のリスクを指摘する報道

ウォールストリートジャーナルは、こうしたローンの借り手や、テザー社が受け入れた担保については、ほとんど開示されていないと指摘していた。USDTなどのステーブルコインは、仮想通貨セクターの取引で広く使われていることから、「テザー社が貸し付けを増やすことは、仮想通貨の世界に広範なリスクをもたらす」とも主張している。

例えば、テザー社は破産申請した仮想通貨融資企業セルシウスネットワークにも融資を行っていた。この際、テザー社は「セルシウスのポジションはテザー社に損失を与えることなく清算された」と発表していたが、貸付事業を行うリスクの一端が示された形だ。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

テザー社は、報じられたような懸念は根拠のない噂であるとしており、「準備金として保有している担保付融資は、過剰担保であり、極めて流動性の高い資産でカバーされている」と強調した。

その上で、噂を一掃し信頼性を高めるためにも、担保付融資をゼロにすると宣言している。テザー社は、現在もUSDTは「専門的かつ保守的に」管理されており、このことは、貸付事業を損失なしに終了させることによって、改めて証明されるだろうと続けた。

過剰担保とは

英語でOver-Collateralization。万が一、債務不履行が起きた場合の損失をカバーするのに十分な価値以上の担保を提供すること。

▶️仮想通貨用語集

テザー社の努力

テザー社は、準備資産についての透明性を高める努力を行ってきた。

10月までには、ステーブルコイン準備金から、コマーシャルペーパーを完全に削除し、安全性の高い米国財務省証券(米国債)に置き換えている。

コマーシャルペーパーは、企業が短期で資金調達する際に発行する無担保の約束手形だ。テザー社が保有する分の契約先企業などが不明であると懸念する声を受けて、同社はこれを段階的に削減し、現在は完全に手放した形だ。

関連米テザー社、コマーシャルペーパーをUSDT準備金から完全に排除

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧