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ブラックロック、ビットコイン下落でも分散効果健在と分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 史上最高値から53%下落、安値は5万8642ドル
  • S&P500との10年相関は0.18、株や商品より低水準

BTC下落の背景と分散効果の分析

資産運用大手ブラックロックのデジタル資産調査チームが、ビットコイン(BTC)に関するリポート「Re-Underwriting Bitcoin」を公表した。BTCは2025年10月に付けた史上最高値12万4606ドルから2026年6月に5万8642ドルまで、53%下落した。

ブラックロックはこの下落を投機的なポジションの調整によるものと位置づけ、通貨の代替資産・分散投資先としてのビットコインの投資価値そのものに変化はないとの見方を示した。

下落の直接的な引き金となったのは、無期限先物(パーペチュアル)を中心とした投機的なポジションの巻き戻しだった。あわせて機関投資家の資金フローの変化も価格の重しとなったと同社は分析している。

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ETF資金流出とレバレッジ巻き戻し

BTCは2022年末の安値1万5765ドルから2025年10月の高値まで690%上昇した。米新政権下での規制環境の改善や現物ETFの上場を追い風に機関投資家の参入が進む一方、無期限先物を中心に投機的なポジションが積み上がった。10月時点の建玉は900億ドルを超え、その8割が海外取引所の無期限先物によるものだったという。

2025年10月10日、米国が対中関税の追加方針を発表すると世界の市場でリスク回避売りが広がった。S&P500など主要株価指数が3〜4%下げる中、BTCは6%、イーサリアム(ETH)は11%急落。建玉は1日で200億ドル減少し、過去最大の減少幅を記録した。その後も2026年2月と6月に強制決済の波が発生し、BTCは6万ドルを割り込む水準まで下げた。

現物ビットコインETFは2024年1月の上場から2025年10月までに累計600億ドルの資金を集めたが、その後は投資家の関心がAI関連銘柄へと向かい、ビットコインETFから約50億ドルが流出。同時期にAIテーマ型ETFには460億ドルが流入したという。

米ビットコイン保有大手ストラテジー(Strategy)を巡る懸念も相場の重しとなった。同社は流通供給量の約4%を保有する最大の購入主体だが、2026年6月上旬に保有量の0.004%にあたる32BTCの試験的な売却を開示。これを受けてBTCは約20%急落し、2024年以来はじめて6万ドルを割り込んだ。採掘大手マラソン・デジタル(MARA)も3月、転換社債の償還とAI関連事業への投資資金を確保するため1万5133BTC(約11億ドル)を売却している。

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相関0.18、60/40への1〜2%配分

ブラックロックは長期的な分散投資効果は損なわれていないと強調する。BTCの過去10年のS&P500との相関係数は0.18。米投資適格債(0.04)や金(0.06)よりは高いが、コモディティ全般(0.29)は下回る。新興国株式は0.57、米ハイイールド債は0.69とさらに高い水準にある。ボラティリティも長期的には低下傾向にあり、10年前は年率100%を超える局面が目立ったが、直近の実績値は40%前後で推移しているという。

同社は伝統的な株式60%・債券40%のポートフォリオを対象に、2016年5月から2026年5月までの10年間を検証した。BTCを1〜2%組み入れた場合、リスク調整後のリターンが改善したと分析。シャープレシオは伝統的な60/40が0.81だったのに対し、BTCを1%加えると0.90、2%加えると0.96に上昇した。最大下落率は60/40の20.3%に対し、BTC2%配分でも20.9%にとどまり、リスク特性は大きく変わらなかったとしている。

ブラックロックは今回の下落について、投資価値そのものの変化ではなく、レバレッジの行き過ぎによるポジション調整だと総括した。投機的な過熱感がおおむね解消されたことで、リスク資産との相関は再び低下していく可能性があるとし、長期の視点に立つ投資家にとって限定的な配分は引き続き検討に値するとの見解を示している。

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