金融機関の着眼点が「ビットコイン」に移りつつある|Coinbase副社長が見る現在の仮想通貨市場
Coinbaseと米規制機関の動き
現在の仮想通貨市場の動きを左右しているのは、規制の大きな枠組みとして世界の各国政府が法設備を整える際の指標となる、米国規制当局を中心とした米国の法規制の動きとなりますが、これら米国規制当局と協力して取引所を運営しているCoinbase社は、一つの評価基準となる取引高では推し量れないほど、仮想通貨界では重要な位置を占める取引所となっています。
Coinbase社は、現在機関投資家参入を見据えた上で、カストディサービスの提供に力を入れているなど、政府機関のみならず既存の米金融機関とも関係性を高く保っていると考えられ、2016年7月には、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)との提携も発表しています。
Coinbase副社長がみる仮想通貨の現状
本日28日、Coinbaseの副社長であるDan Romero氏はツイッター上で、仮想通貨市場の現状を以下の様に語りました。
- 停滞している仮想通貨市場は、2014年の第3四半期に酷似している
- 水面下で多くの事業開発と研究開発が行われている(特に中枢となるプロトコルレベルやイーサリアムの分散化金融システム・スタック内で)
- 既存の金融界の注目が「ブロックチェーン技術」からビットコインを筆頭とした仮想通貨という資産クラスに傾きつつある
2014年のチャートと現在のチャートを比較
2014年のビットコインチャート
現在のビットコインチャート
かなり酷似しているチャートであると言えますが、その後のビットコインの価格推移は以下の通りです。
金融機関が、ブロックチェーンから仮想通貨へ目が向き始める
特にこの点が重要であると考えられます。
現在の仮想通貨市場は、2017年末からの長期的な下落を経て、投資家の投機的な目的に翳りが見え始めています。
また政府や企業の動きを中心に、未だ各国の法規制が十分に行き届いているとは言えない仮想通貨市場への積極的な参入より、ポジティブな動きはブロックチェーンの活用事例、また既存の企業が新たな技術導入に動くケースが目立っている様に感じます。
しかし直近では、Fortune500に入る金融サービス大手Northern Trustが仮想通貨業界へ参入を表明した他、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社のインターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)がマイクロソフトと共同設立した、新仮想通貨プラットフォーム『Bakkt(バックト)』など、大手金融機関が仮想通貨業界へと動き始めています。
相場こそ上向きに転じていないことから、投機市場での注目度は現状高くはないものの、これらの動きの変化が、今後の仮想通貨市場に変化をもたらす可能性は大いに考えることができると言えるでしょう。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します