世界最大級保険組合ロイズが仮想通貨業界に進出|機関投資家の参入へ大きく前進

保険組合ロイズが参入
米国時間8月28日、仮想通貨管理サービスも提供するアメリカの認可された管理機関Kingdom Trustが、イギリスの世界最大級の保険組合ロイズに属する保険引き受け業者と仮想通貨盗難の際の保険を締結したことを明らかにした。
ニュースの重要性
今回の世界的に有名な保険組合が仮想通貨業界に参入したことで、仮想通貨管理サービスの安全性が大きく向上するとされており、機関投資家の参入にも繋がることが示唆される極めて重要な動きであるといえる。

イギリスの世界最大級保険組合ロイズが仮想通貨業界に進出

8月28日に、アメリカの中西部に位置するサウスダコタ州の銀行部(Division of Banking)によって認可された仮想通貨管理(カストディ)機関であるKingdom Trustは、世界的に有名なイギリスの保険組合ロイズに属する保険引き受け業者との仮想通貨盗難においての保険を締結したことを発表しました。

300年以上の歴史を持つ保険組合ロイズは、あくまでも保険引き受け業者(アンダーライター、シンジケート)、保険仲介業者(ブローカー)によって成り立っている組合で、今回、Kingdom Trustは、イリノイ州のブローカーであるSafe Deposit Box Insurance(SDBIC)を通して、保険組合ロイズに属する匿名のアンダーライターとの保険を締結したのです。

Kingdom Trustは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)をはじめとする30種類ほどの仮想通貨(トークン)の管理を行う企業であり、公式サイトには、10万人以上の顧客を抱え、120億ドル(約1.3兆円)の資産を管理していると記述されています。

カストディと機関投資家

Kingdom TrustのCEOを務めるMatt Jennings氏(以下、Jennings氏)は、今回の保険締結に対して、以下のようにコメントしました。

認可され、保険も完備した機関による上質なカストディは、機関投資家がデジタル資産市場に参入してくるためには、必要不可欠なのだ。

ロイドのような信頼性のあるスペシャリストを私達のプラットフォームに追加することで、既存、そして将来的な顧客に高いセキュリティを提供し、機関投資金融にも対応する完全な安全管理を行うことができるようになる。

保険組合ロイズは、先月7月にすべての会員に対し、仮想資産に関して最新の注意を払い、リスクを適切に測るために、専門家を立てるよう注意勧告を行っていました。

しかし、SDBICの公式サイトによると、同社社長のJerry Pluard氏は、保険組合ロイズの仮想通貨業界への参入は、もう止められないものとなりつつあることを示唆しました。

約10つのシンジケートが、仮想通貨業界への進出に関心を持っている。その中でも5つのシンジケートは、仮想通貨業界に存在するリスク分析を充分にこなせる専門知識を有し、他の5つのシンジケートもそれに追尾する形で位置している。

多くの人々は、ホットウォレットやウォームウォレットと呼ばれる類のものに対しての保険を求めており、実際一部の人は、ホットウォレットなどをコールドウォレットと称している。

しかし、おそらく保険業界は、秘密鍵周り全体を安全に管理する包括的な管理方法を求めているのではないか。

Jennings氏は、その包括的な取り組みとして、保有証明や、毎日の調整監査、外部監視、アドレスのホワイトリスト化、複数地域での災害回復プログラム、従業員の定期的なデューディリジェンスプログラムへの参加など、様々な対策を講じてきていると主張しました。

そして、すべてがオンライン接続されていないコールドウォレットによって管理されているため、最も懸念されるのが、内部的犯行による仮想通貨盗難または、フィッシングなどによる個人単位での被害であると述べています。

さらに、彼は「機関投資家を仮想通貨市場に引き込むために、保険は重要な要素になると考えていた」と答えていることから、世界最大級の保険組合ロイズが仮想通貨業界に進出した今回のニュースは、非常に注目されるべきものであると言えるでしょう。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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