DeFi大手Aave、「Polygon zkEVM」メインネットβ版へ準備か=報道

AaveがzkEVM展開を検討

主要なDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルAaveが、3月末にリリース予定のスケーリングソリューション「Polygon zkEVM」への展開について、検討を開始したことが3日にわかった。

Aaveのインテグレーション・リードを務めるMarc Zeller氏の作成したガバナンス提案に基づいて、海外メディアThe Blockが独占的に報じた。

Polygon zkEVMは3月27日にメインネットベータ版のリリースを予定しており、Aave v3のMVP(最小限のプロダクト)のデプロイに向けて議論が進められる。Aaveとしては、注目度の高い新規市場で早期にプレゼンスを高めるねらいがある。

Aaveは、DeFi(分散型金融)レンディング分野でトップシェアを占めるプロダクト。トークンを担保にステーブルコインなどのトークンを借りたり、資産をスマートコントラクトにロックし流動性を提供することで金利を得たりできる。

データサイトDeFillamaによると、イーサリアム(ETH)を初めとする7つのネットワークの合計TVL(トータルロックトバリュー)は約6200億円(46億ドル:23年3月3日時点)。

関連:AAVEとは|有望DeFiプラットフォームの特徴と将来性を解説

Polygon zkEVMでの実装に際しては、Aaveで担保として利用可能な暗号資産(仮想通貨)を3種類に制限し、リスクパラメータをより保守的に設定する計画。

担保として検討されている仮想通貨としては、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)の代替(Wrapped)トークン、米ドルステーブルコインUSDCがある。また、借り入れ可能な資産はUSDCに限定される見込みだ。

今後の展開として、Aave独自のステーブルコインとしてローンチが予定される「GHO」についても、Polygon zkEVM上で発行可能にするプランも模索すると提案は加えている。

Polygon zkEVMとは

Polygon zkEVM(旧Polygon Hermez)は、ZK(ゼロ知識証明)ロールアップベースのレイヤー2スケーリングソリューション。ZKロールアップはトランザクションを集約してオフチェーンで処理し、生成した暗号証明のみをイーサリアム(L1)ブロックチェーンに保存する。高速ファイナリティを備え、大量のトランザクション処理を低コストで実現する。

ZKロールアップの中でも、Polygon zkEVMはイーサリアムのスマートコントラクトをそのまま展開できるよう、EVMをエミュレート(模倣)するように設計されている。開発者としては、zkEVM上にイーサリアムのアプリを展開しやすい利点があり、ウォレットのメタマスクなど、イーサリアムで馴染みのあるツールを使ってアプリを展開することが可能。

Polygon zkEVMは昨年12月に最終のテストネットをローンチ。DeFi(分散型金融)プロジェクトのAaveやUniswap、ソーシャルプラットフォームのLens、ゲームスタジオ「Midnight Society」らがテストネットに参加することが決まっていた。

EVM(イーサリアム仮想マシン)とは

イーサリアムのハードウェアとノードネットワークレイヤー上に維持されているエンティティ。状態変化を計算するルールを定義する。ブロック毎に、スマートコントラクトに使用されるコードの実行やコンパイルなどを実行し、イーサリアムネットワークの状態を計算する。

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関連:ポリゴン、L2「Polygon zkEVM」の最終テストネットをローンチ

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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