Google、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンデータセットの提供を開始

イーサリアムデータセットの提供開始
Googleは、ビッグデータ分析プラットフォームであるGoogle BigQueryにて、新しく仮想通貨イーサリアムのデータセットを公開することを発表した。同社は、2018年2月に仮想通貨ビットコインのデータセットも公開している。
注力される3つの分野
そのデータセットは、「イーサリアム内で人気のあるスマートコントラクト、取引高および、取引ネットワーク、スマートコントラクト機能の分析」という3つの分野に焦点が当てられていることが明らかになっている。
スマートコントラクトとは
日本語で「賢い契約」のこと。 主にイーサリアムプラットフォーム上などで使用されており、ブロックチェーンの記録だけで、自動契約・債務履行まで行うことができる。

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イーサリアムデータセットの提供開始

Googleは、ビッグデータ分析プラットフォームである自社サービスGoogle BigQueryにて、新しく仮想通貨イーサリアムのデータセットを公開することを発表し、公式ブログにて以下のように記述しました。

出典:cloud.google.com

「イーサリアムおよび、多くの仮想通貨は一躍、技術者、金融業者、経済学者などの注目の的となった。デジタル通貨は、そのブロックチェーン技術の応用例の一つに過ぎない。今年の初めに、私たちは、Google BigQueryでの分析サービスにおいてビットコインのデータセットを公開したが、今回の発表によって、イーサリアムのデータセットも公開される。」

GoogleQueryとは、コスト、スケーラビリティ、スピードに優れたGoogleの法人向けデータウェアハウスサービスであり、SQLなどを使用しデータを引き出すことができ、データ分析における生産性を向上させることを目的として設計されています。

Googleは、既述の通り今年の2月に、BigQueryにおいて仮想通貨システムの透明性の向上に向けて、そのデータをより容易に活用できることを目的としたビットコインデータセットの提供を開始していました。

さらに、公式ブログでは、既存のイーサリアム開発者APIなどによって、ある特定のアドレスのイーサリアム残高や取引ステータスなどは確認できるものの、そのブロックチェーンに保存されている全ての情報を容易に引き出すことはできないと既存サービスの欠点を指摘しましたが、今回のGoogle BigQueryこそが包括的なデータを容易に引き出すことのできる解決策になることを示唆し、ビジネスにおいて意思決定をする際の指標にもなることを以下のように記述しています。

「(自社サービスBigQueryで)可視化することにより、イーサリアム構造自体の優先的な改善(イーサリアムのシステムが許容範囲に近づいていないか)、貸借対照表調整などのビジネスにおける意思決定に活用することができるのだ。」

注力される3つの分野

さらに、公式ブログでは、今回のデータセットは以下の3つの分野に焦点が当てられていることが明らかにされました。

  • 1.イーサリアム内で人気のあるスマートコントラクト
  • 2.取引高および、取引ネットワーク
  • 3.スマートコントラクト機能の分析

イーサリアムブロックチェーンは、デジタルトークンの取引でよく使用されており、取引高において最も人気のあるERC721スマートコントラクトはCryptoKittiesであると記述されました。

さらに、以下のように、10以上のCryptoKittiesを所有するアカウントを可視化することもできるとされ、以下の図では、その点の大きさがPageRank、そして、色が所有者を示しています。

出典:cloud.google.com

そして、イーサリアムブロックチェーンでは多種多様なトークン(ERC20)も取り扱われており、特定の時間軸で、OmoseGO(OMG)などを始めとするトークン毎の送信者、受信者、取引数を可視化することができます。

さらに、スマートコントラクトのオープンソースコードには、様々な機能が存在し、例えば、CryptoKittiesで使用されている特定のスマートコントラクト機能を指定すれば、Jaccard係数を元にその機能に類似するゲームを検索することもできるとされています。

仮想通貨先物取引分野でも、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が昨年のビットコイン先物取引を開始し、今年の2018年内には、イーサリアム先物取引の提供開始を計画していることが明らかになっています。

そして、今回のGoogleも今年初めにビットコインデータセットを提供開始した後、イーサリアムのデータセット提供に踏み切りました。

このように、ビットコインだけでなく、イーサリアムへの関心、認知が高まって行くことで、仮想通貨全体のメインストリームへの進出が期待されています。

参考記事:Ethereum in BigQuery: a Public Dataset for smart contract analytics

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