AI分析に続き、2人投資専門家もビットコイン暴落に「クジラ」の存在を示唆
- 二人の専門家も示唆
- ビットコインの急落に始まった仮想通貨市場全体の大暴落に関して、AI分析による異常を検知していたが、複数の専門家もそれぞれの意見を元にクジラの存在を示唆した。
- クジラとは
- 経済用語のスラングであり、市場に大きな影響を与えるほどの”巨額マネー”を動かす機関投資家のことを指す。 日本の株式市場では、150兆円規模の運用資産額を有する「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」を始め、3共済、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険などが、クジラと呼称されている。
二人専門家がクジラの存在を示唆
ビットコインの急落に始まった仮想通貨市場全体の大暴落から一夜、値動きは一旦落ち着きを取り戻しています。
そのような2日のビットコインの暴落劇を二人の専門家が分析、本日ゴールドマンサックスの報道は同社CFOから否定されたものの、二人のアナリストは裏で動く怪しい取引に焦点を当てています。
Jared Blikre氏の見解
Yahoo FinanceのアナリストJared Blikre氏はここ2日間のビットコイン下落相場について、以下のように取り上げて説明しました。
「VanEck版ビットコインETFの一時審査結果は9月30日に控えているが、SECは今まで仮想通貨取引所によるビットコイン価格に対して不信感を抱いており、ウォール街にある既存の大手金融機関にそれを任せようとする中で、ゴールドマンサックスのビットコイン取引デスクの撤退(*現在、フェイクニュースと判明)はその判断に大きく影響を及ぼすかもしれない。まず今回9月30日の判断は期待できないだろう」
実際に仮想通貨取引所での資金管理問題などが急速に露呈した2018年、大手金融機関の動きは重要視されており、業界で最も望まれる透明性の一助となるゴールドマンサックス関連報道は、後にフェイクニュースだとわかったものの、市場に影響を与えたことは間違い無いだろう。
そして、ここ2日でおきた異常な下落について、Blikre氏は、
「重要な材料や取引高が少なかったのに、再び大きく落ちたのは、おそらくクジラ(大口)の出没と関係しているかもしれない。約10億ドルに相当するビットコインは4年も放置されていたウォレットから動かされた形跡が見つかってもいる。相場のボラティリティ増幅が予測され、もし6000ドル(執筆時6490ドル【約71万8千円】)を割れば、買い圧力が帰来すると考えられる」
と言及しました。
Tom Lee氏の見解
米国有名仮想通貨アナリスト兼Fundstrat社の代表者Tom Lee氏はアナリストAndy Hoffman氏が取り上げたチャートをリツイートしました。
Hoffman氏は、「昨日、取引高の少なさといい、材料も無くビットコインが1100ドルも失ったのはおかしい。比較して、日曜日(日本時間月曜日)は非常に高い取引高を伴って350ドルを増やしたのに」と言及、大口の存在を示唆しました。
AIも異常を検知
昨日公開した「仮想通貨暴落劇にインサイダー疑惑も:AIがビットコイン市場心理の『異常』を検知」で紹介したように、市場アナリストが正体不明となる大口(クジラ)が10,000BTCのショートポジションを取っていた事を観測し、疑問を呈していました。
そのような状況の中で、ネガティブニュースが続出し、暴落へ繋がった仮想通貨市場となりますが、AIベースの仮想通貨シグナルプラットフォームRoninAI上で、下落直前に異常な動きを検知していたとの発表が行われています。
標準偏差3を超す異常な動きが起きが度重なって確認されたことで、市場操作の疑惑を強めたとの言及がなされているなど、複数の観点から大口による仕掛けの可能性が指摘されていることになります。
CNBCの番組でビットコイン相場の展開は?
米CNBCの経済番組Futures Now に出演したトレーダーBrian Stutland氏は、ビットコイン先物取引の急落を注目すべきであると言及した上で、相場の展開を語りました。
「(GS社の報道に左右されたことを受け)ビットコインには銀行は不要だ。これがビットコイン本来の目的である。また、6000ドル水準が下値サポートラインとされている上に、ビットコインのハッシュパワーが高く維持されているので、反発は見込めるだろう」
と、Stutland氏が語り、6480ドルをロングポジションのエントリー価格と示しました。
一方で、ともに出演したDominic Chu氏(同じくトレーダー)は、ビットコインは数時間前6480ドルまで少し折り返したものの、再び下降基調へと戻ったため、6490ドルを上回ったとことを基準水準と見ている様です。
日本時間7日12時にはすでにビットコインが6480ドル、6490ドルを上回り6500ドルに値を戻しましています。
最後にStutland氏は、投資家が市場へ戻るには2日から起きているボラティリティは縮む必要が不可欠であり、底値を繰り返しがちなセンチメントを完全に晴らすプロセスはおそらく1年かかり、仮に価格変動率により6000ドルを割った場合、4000か3000ドル(約44万から33万円)へ落下する可能性も十分に考えられると慎重な姿勢を見せました。
画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します