イーサ「再ステーキング」、EigenLayerがテストネットローンチ
ETHの再ステーキング
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)の“再ステーキング”プロトコルEigenLayerは6日、最初のテストネットを立ち上げたことを発表した。
EigenLayerはイーサリアム上でステーキングされたETHからデリバティブトークンを生成し、他のプロトコルで再ステーキング可能にするプロトコル。
このプロトコルは、ETHのステーキングセキュリティを再利用し、外部プロジェクトがEigenLayer上で独自のモジュールを構築することで、ミドルウェア、サイドチェーン、ロールアップ、dApps、オラクル、ブリッジなどの検証を可能にする。
テストネットは3段階で展開され、現在のステージ1はステーカーを対象とする。これは、2つのリキッドステーキングデリバティブ(stETHとrETH)と、ETHの再ステーキング(ネイティブリステーキング)に焦点を当てている。
ステージ1テストネットを通じて、興味のあるユーザーは再ステーキングモジュールや関連インターフェイスに慣れることができる。
たとえば、新しいバリデーターを作成する際に出金資格情報をEigenLayerのスマートコントラクトに設定し、EigenLayerでのステーキングが可能になる。さらに、既存のETHステーカーも、4月12日に予定されているイーサリアムの上海(Shapella)アップグレード後、EigenLayerのテストネットに参加できるようになる。
Eigenのポテンシャル
EigenLayerの潜在的な市場規模は莫大であり、リステーキング先として活用されるミドルウェアにとっても、ネットワークの安全な成長が促進される可能性がある。
現在、イーサリアムのステーキングコントラクトには約1790万ETH(約4.4兆円)がロックアップされており、これはイーサリアム全体の供給量のおよそ15%を占めている。その資産価値は、時価総額で5位のUSDCoin(USDC)の発行量を上回っている。USDCは米ドルに連動するステーブルコインだ。
このプロジェクトは業界で高い評価を受けており、Blockchain CapitalをはじめとするCoinbase Ventures、Polychain Capital、Electric Capital、Finality Capital Partnerといった仮想通貨ベンチャー企業が支援している。EigenLayerは3月にシリーズA資金調達ラウンドで約65億円(5000万ドル)を調達した。
イーサリアムの共同創設者であるJoseph Lubin氏は、EigenLayerについて「イーサリアムで最もエキサイティングなミッションの最前線にいる」とコメント。また、「EigenLayerは、プログラムによる分散型トラストマーケットプレイスを通じて、プロトコル中心のイノベーションを促進する新しいパラダイムである」と述べた。
EigenLayerのステージ2はオペレーターを対象とし、ステージ3ではサービスに焦点が当てられる。メインネットのローンチを含む今後のスケジュールについては、現時点では明らかにされていない。
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