香港ZA Bankが仮想通貨関連サービス展開、取引所との連携で 仮想通貨と法定通貨の変換サービスをサポート

香港ZA Bankの仮想通貨関連サービス

香港最大のバーチャルバンクであるZA Bankが、国内のデジタル資産企業と連携し、暗号資産(仮想通貨)と法定通貨の送金サービスをエンドユーザー向けに提供していることが12日に明らかになった。同行はまた、Web3(分散型ウェブ)スタートアップ向けに銀行サービスも展開している。

ZA BankのRonald Iu CEOがBloombergに語った内容によれば、同行は仮想通貨から法定通貨への変換サービスをエンドユーザーに提供している。ブロックチェーンに関するインフラは香港で認可された仮想通貨取引所が担当しており、ZA Bankは取引所の交換サービスを支援し、香港ドル、中国元、米ドルでの出金を可能にする決済銀行として機能している。

既にHashKeyとOSLという2つの仮想通貨取引所と連携してサービスを提供しており、他の取引所がライセンス取得時にも同様のサービスを提供予定だ。ただし、規制上の理由から、中国本土からの顧客にはこのサービスは提供していない。

ZA Bankはまた、過去数か月間にわたって地元のWeb3スタートアップ向けにオンライン口座開設サービスを展開してきた。これは、約100社が参加した香港規制当局のサンドボックスでのトライアルを受けた結果であり、規制要件を満たすために市の企業登録データと連携し、AML(マネーロンダリング対策)のクロスチェックを実施している。

香港で最初に認可されたZA Bankは2020年3月にサービスを開始。わずか1年でユーザー数は30万人を超え、2022年の年次レポートベースでの預かり資産(24.8億香港ドル=422億円)は、8つの香港バーチャルバンクの中でトップに立っている。

Ronald Iu CEOは、「収益モデルについてはまだ早い段階で話すのは難しいが、顧客数の増加や預金の増加、ビジネスチャンスの拡大は、銀行にとって常に素晴らしいこと」と述べている。

バーチャルバンクとは

「バーチャルバンク」とは、基本的には物理的な店舗を持たず、顧客の獲得から銀行サービスの提供まで原則オンラインで行われるインターネット専業銀行のこと。2019年5月に香港金融管理局(HKMA)は、8社に対してバーチャルバンクのライセンスを発行した。

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仮想通貨の中心地を目指す香港

米国では仮想通貨関連会社に対する銀行サービスの環境が悪化している。仮想通貨の分野で活動する多くの企業と取引関係があったシリコンバレー銀行が破綻、同様に仮想通貨企業と取引の多いシグネチャー銀行は、金融システム危機につながるリスクを抑制する名目で規制当局の判断で閉鎖された。

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一方、香港は仮想通貨の中心地になることを目指しており、2月には中央集権取引所にライセンス制度を導入し、新たに個人投資家の仮想通貨取引を承認する案を公開した。

また、2023年の財政予算案では、Web3エコシステムの開発を加速するために、約66億円(5,000万ドル)を割り当てている。

香港のクリストファー・ホイ金融サービス・財務長官が3月20日に行ったWeb3関連の講演によると、香港の仮想通貨とWeb3政策の取り組みとして以下の内容が検討されている。

  • 仮想通貨サービスプロバイダーのライセンス制度(23年6月開始予定)
  • ステーブルコインの規制を整え、24年から施行
  • 仮想通貨先物ETFの取引を個人投資家に提供
  • デジタル人民元決済のテスト
  • フィンテック企業支援プラットフォーム立ち上げ
  • フィンテック・インターンシップ制度

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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