アップルCEO、AI採用に前向きも慎重なアプローチを維持
アップル社とAI
4日の米アップル社の決算発表で、同社CEO(最高経営責任者)のティム・クック氏は、引き続き人工知能(AI)を製品に取り入れる考えを示した。その一方で、解決すべき課題が存在すると指摘した。
クック氏は、具体的な「製品のロードマップ」について言及しないとした上で、アップル社にとってAIが重要な焦点であると述べた。同氏は、既に一部の製品でAIを組み込んでいると指摘し、その潜在能力は非常に興味深いとして、今後も同様の方針を続ける意向を明らかにしている。
同氏によれば、既存の製品である転倒検出、衝突検出、および心電図(ECG)などは、すでにAIシステムを活用しており、Apple Watchで事故によるけが防止や人命救助に役立っている。
一方で、クック氏は具体的なプロダクトには言及しなかったが、AIには解決すべき課題がいくつかあると指摘。これは、マイクロソフトやグーグルが急いでジェネレーティブAIを検索機能に組み込む姿勢に対して、アップルがより慎重なアプローチを採用していることを示唆しているかもしれない。
ジェネレーティブAIとは
入力されたデータや指令から新しいコンテンツやデザインを自動的に作成するAIのこと。文章や画像、音楽、動画などのメディアコンテンツや、プログラムコードなどを生成し、人間の創造性や発想力を補助する。
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ジェネレーティブAIの発展
マイクロソフトはChatGPTのようなジェネレーティブAI言語モデルやMidjourneyのような画像作成ツールを積極的にBing検索機能に搭載している。一方、アップルはまだジェネレーティブAI製品をリリースしていない。
「ChatGPT」がリリースされて以降、AIはテック産業の重要テーマとなり、各社の開発競争が激化している。しかし、背景技術のブラックボックス性がプライバシー侵害や倫理・社会的懸念を招くことから、非営利団体Future of Life Instituteや著名な起業家・研究者を中心に規制を求める声も挙がっている。
主要国政府はChatGPTのようなジェネレーティブAIソフトウェアに対する規制策を検討している。欧州連合(EU)では、人工知能法案(Artificial Intelligence Act)という法案を提案し、高リスクなAIシステムに対する監督や透明性の義務付けなどを盛り込んでいる。
また、英国政府は安全なAI(人工知能)の開発を目指すタスクフォースの創立と、初期支援金として1億ポンド(約170億円)を出資することを4月に発表していた。
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