仮想通貨「Worldcoin」の虹彩スキャン、不正取引の防止策に言及
「人間の証明」を売買
中国の暗号資産(仮想通貨)/Web3メディア「BlockBeats」は18日、仮想通貨プロジェクト「Worldcoin」のトークン受け取りの条件である、目の虹彩スキャンによる個人認証コードが、ブラックマーケットで不正販売されているとツイートした。
Worldcoinは「全世界の人々への仮想通貨の配布」を目指すプロジェクトで、OpenAIの共同創業者サム・アルトマン氏が、物理学者アレックス・ブラニア氏とともに立ち上げた。トークンの無料配布にあたり、バレーボール大の生体認証装置「オーブ」を使って目の網膜をスキャンし、各人特有の虹彩で個人を識別する。
ツイートによると、中国ではWorldcoinアプリへの登録ができないにもかかわらず、中国本土ではWorldcoinが口コミで広がっている。それは、中国の仮想通貨ユーザーが、カンボジアやアフリカでスキャンされた虹彩を30ドル以下の安価で購入し、アプリ登録する「新しい方法」を発見したからだという。
「KYC(本人確認)」の個人情報を違法売買するブローカーがカンボジアの村の住民から虹彩データを集めて販売している疑いがあり、ケニアなど他のアフリカ地域でも同様の活動が報告されているという。
Worldcoinのトークンは、今年前半にローンチ予定だとされており、同プロジェクトは先週、エコシステムのウォレット「World App」の一般公開とイーサリアムL2「Optimism」との連携を相次いで発表した。
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詐欺の防御策
Worldcoinは上記の指摘に対して、継続的なモニタリングを通じて、生体認証を受けた当人ではなく第三者がアプリに登録されるという「疑わしく、潜在的に詐欺的な活動」を特定したが、その事例はごくわずか(数百に限られている)と強調した。
Worldcoinはこのような不正行為への対策として、登録プロセスの調整とダイナミックQRコードの実装といった措置を講じるという。
また、「オーブ」による虹彩スキャンを再度行うことで、認証アカウントに付与されるWorld IDの回復が可能な仕組みが導入されているため、同様の方法で、違法なIDの販売を防ぐことにもつながると同プロジェクトは説明している。
しかし、「詐欺行為の共謀や個人認証を迂回しようとする他の試み」を完全に防ぐことは不可能であると認識することが重要だとWorldcoinは指摘。問題に対処するためには、「メカニズム設計と社会的関係の属性に関する革新的アイディア」が必要だと強調した。
新たな資金調達
ファイナンシャルタイムズの14日の報道によると、Worldcoinは、今後6週間でメインネットのローンチを行う準備を進めており、約138億円(1億ドル)の資金を調達するための交渉を行なっているという。
Worldcoinは、2021年10月と2022年3月の二度にわたり、Andreessen Horowitz(a16z)やCoinbase Venturesなどの投資家から、それぞれ34億円と135億円相当を調達済みだ。Worldcoinの評価額は約4,150億円(30億ドル)とされている。
Worldcoinのエコシステムには、世界中ですでに170万人以上が登録しているという。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します