イスラエル、外国人の仮想通貨課税を免除する法案を審議

外国人や企業従業員の税減免措置を審議

イスラエルの国会は5日、外国人の暗号資産(仮想通貨)キャピタルゲイン税や仮想通貨活動から得た利益への課税を免除する新法案について初期段階の審議を行った。

この法案はイスラエルの所得税条例の改正を求めるものだ。企業の従業員が受け取る仮想通貨オプション(ストックオプションと同様のもの)に対する50%の税金を25%に引き下げることも盛り込んでいる。

ハイテク産業の労働者がすでに受けられる税制上の優遇措置を、仮想通貨産業にも拡大することが一つの目標だ。

リクード党のダン・イロウ議員によると、この法案はベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる連立政権の支持を得ており、海外からの投資誘致を目指す現政権の計画にも適合する。

仮想通貨関連の規制を整備中

イスラエル政府は、仮想通貨関連の規制整備を進めていく姿勢だ。

イスラエル財務省の首席エコノミスト、シーラ・グリーンバーグ氏は2022年11月、仮想通貨をテーマとした広範な報告書を財務大臣に提出した。仮想通貨のリスク評価や、市場の発展に対するハードルへの対処方法、包括的な推奨事項などを提示している。

この際、グリーンバーグ氏は次のようにコメントした。

仮想通貨分野における政府の政策を決定するには、このセクターのリスクや、仮想通貨の革新性と特性を考慮した上で、十分な情報に基づいた包括的な規制が必要だ。

西側世界のさまざまな国では、規制プロセスが模索あるいは決定されているところで、イスラエルも、先進国の新たな基準に従って行動することが推奨されている。

財務省のチームは、報告書で主に以下の事項を推奨している。

  • ライセンス制度など、既存の規制枠組みに存在する参入障壁を除去する
  • 既存の規制インフラの改善と拡大
  • 新しい規制インフラの創設

このうち「既存の規制の改善と拡大」については、証券当局の規制を仮想通貨にも拡大することや、仮想通貨企業の監督権限を可能な限り、ある機関に集中させることなどが挙げられた。

「新しい規制インフラの創設」については、ステーブルコインなど裏付けのあるデジタル資産の発行や、関連するサービスの提供に対するライセンス監督を法律で規定すること、重要な金融効果をもたらすデジタル資産に対する監督権限をイスラエル中銀へ移管することがある。

さらに、自律分散型組織(DAO)に関する規制を検討する省庁間委員会の設立にも触れていた。

ステーブルコインの規制原則

これを受けてイスラエル中銀は2月、ステーブルコインの規制原則を発表。ステーブルコインの使用に伴うリスクをコントロールしながら、同国内でのステーブルコインの使用を許可することを目的としている。

ステーブルコイン保有者に対していつでも償還を行えるように、流通しているステーブルコインの量に見合った準備金を維持するよう義務付けることなどを勧告していた。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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