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入院中の子供向けメタバース空間を紹介 小児病棟の課題にテクノロジーで挑む|DSC2026

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

入院中の子供たちに「明日の楽しみ」を

一般社団法人日本デジタル経済連盟が主催し、株式会社CoinPostが企画・運営を担当する大規模カンファレンス「Digital Space Conference 2026(DSC2026)」が17日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された。

同イベントのセッション「メタバースが創るSDGsのミライ」では、小児病棟に入院する子供たちを対象としたメタバースプロジェクト「デジタルエンジェルス」が紹介された。

登壇者は以下の通り。

  • 谷垣 洸哉(株式会社トレードワークス コンサルティング部 部長)
  • 加藤 シルビア(元TBSアナウンサー)

デジタルエンジェルスは、入院中の子供たちが紙に描いた絵や作品を、翌日メタバース空間上に展示する仕組みだ。付き添いの保護者が端末から作品をアップロードすると、翌日にはバーチャル空間内に作品が現れ、他の利用者からスタンプなどのリアクションも受けられる。同プロジェクトは日本デジタル経済連盟のプロジェクトチーム(PT)として立ち上げられ、360チャンネルのメタバースプラットフォーム上で運用されている。

谷垣氏がこのプロジェクトを構想した背景には、自身の実体験がある。2020年、当時2歳だった双子の娘の一人に癌(ステージ3)が見つかり、約1年半の治療を経験した。小児病棟での生活の中で、辛い治療や早朝4時からの検査に耐える幼い子供たちが「明日」を想像することの難しさを痛感したという。「明日になったら、今日想像していたものが現れる」という体験を通じて、子供たちに明日を楽しみにできる感情を作りたい、この思いがプロジェクトの出発点となった。

年齢別の活用と安全設計

対象年齢は幅広く、2〜7歳の幼児は保護者と一緒に紙に絵を描き翌日の展示を楽しむ使い方が中心となる。8〜11歳の学齢期の子供たちには、入院で離れた友人との非同期コミュニケーションの手段として機能する。12歳以上ではAIを活用して作品を3D化するなど、より高度な表現も視野に入れている。

安全面では、医療情報を含む特定個人情報は一切取得しない設計を採用。展示した作品は保護者の手元で自由にオン・オフの切り替えが可能で、子供の体調に配慮し短時間で遊びきれるコンテンツ設計を重視している。空間内には東京ドームなどの企業がアセットを提供しており、DSC2026のスポンサー企業のCSR活動報告展も併設されている。

谷垣氏は今後の展望として、アーティストとのコラボレーションやリアルの世界との繋がりを生む企画を広げていく方針を示した。「メタバースはこれまで使いどころが難しいとされてきたが、社会課題に対して適切な技術を活用するという『課題ファースト』の視点で取り組めば、強烈にフィットするポイントがある」と語り、企業間の協力を呼びかけた。

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