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カルシ予測市場に絡む楽曲操作、スポティファイが50万配信削除

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • カルシ取引で最大約20〜30倍の払い戻し発生
  • ポリマーケットにもスポティファイがロゴ削除要求

50万回の配信を削除

スポティファイ(Spotify)は、予測市場カルシ(Kalshi)での賭けに絡み、シンガーソングライターのマルコム・トッド(Malcolm Todd)氏の楽曲「Earrings」のストリーミング数が不正に操作された疑いを確認し、約50万回分の配信を削除したとブルームバーグ3日に報じた。

同社はカルシおよびポリマーケットに対し、両社のサイトからスポティファイのロゴを削除するよう要請した。

「Earrings」は、6月29日から30日にかけて一晩でストリーミング数が約70%急増し、スポティファイの米国デイリーチャートで1位を記録した。

この急上昇が、同曲が「6月に米国で最も再生された曲になるか」を対象とするカルシの予測市場と時期的に一致していたことから、トレーダーの間で不正操作の疑いが浮上した。同市場には300万ドル相当の取引が集まっていたという。

関連記事:カルシ、サッカーのワールドカップ開幕週に取引高が過去最高に 8240億円超規模

予測市場プラットフォームのカルシは6月8日からの週に、名目の週次取引高が8,240億円超に達して過去最高額を更新。11日からはサッカーのワールドカップが開幕している。

トレーダーが不審な動きを指摘

不審な動きを最初に指摘したのは、音楽チャート関連の予測市場取引で知られるトレーダーのケイレブ・デイビス(Caleb Davies)氏。

同氏の試算では、「Earrings」が通常の推移から1位に浮上する確率は極めて低いので、統計的にほぼあり得ない変動だったという。デイビス氏はこの結果を受けて4,500ドルの損失を被ったとしている。

スポティファイの広報担当者は「あらゆるストリーミングサービスは常に変化する不正操作の脅威に直面している。当社は不正な配信を検知・抑制する最高水準の体制を持っており、それに伴う印税は支払わない」とコメントした。

カルシは調査中と表明

カルシは「スポティファイと連絡を取り合い、本件を積極的に調査している」との声明を出した。

同社は2026年6月、独立監査委員会の提言を受け、リスクスコアリングや高リスク市場での就業先申告、内部告発ツールの拡充といったインサイダー取引対策を導入したばかりだった。

関連記事:カルシ、インサイダー対策を強化 雇用確認・内部告発機能を導入

予測市場プラットフォームのカルシ(Kalshi)が市場健全性の強化策を即日実施。リスクスコア制度の導入、高リスク市場での雇用情報収集、内部告発ツールの拡充の3施策を発表。Q1では100件超のインサイダー疑い取引を阻止したと報告した。

ただし今回の手口は、非公開情報の悪用を前提とするインサイダー取引とは異なり、賭けの対象そのもの(ストリーミング数)を外部から人為的に押し上げる形の操作だった。

予測市場の対象となる事象そのものを操作しようとする動きが指摘されたのは、今回が初めてではない。

4月にフランスでも、パリの気温を対象とする予測市場で利益を得る目的で気象観測データが改ざんされた疑いがあるとして、当局が調査を進めているとされる。

今回の一件についてポリマーケットは取材への回答を出しておらず、Todd氏本人やその関係者が不正操作に関与したとの指摘もない。

同曲は既にチャート順位を下げているが、賭けの対象そのものを操作しようとするインセンティブは、予測市場が扱う事象の裾野が広がるほど強まる構造にあるといえそうだ。

関連記事:分散型予測市場とは?仕組み・賭けサイトとの違いを解説

ブロックチェーン史上最大のユースケースとも評される分散型予測市場の仕組みを基礎から解説。賭けや世論調査との違い、PolymarketやKalshiの最新動向、日本の法規制と国内サービスの現状まで、国内最大の仮想通貨メディアCoinPostがまとめます。

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