米地裁、コインベース対SECの訴訟で日程を発表

申立書や法廷助言書の期日を提示

米国地方裁判事のキャサリン・ポルカ・ファイラ氏は20日、米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースと米証券取引委員会(SEC)の間の裁判で、今後のスケジュールを発表した。

これはコインベースとSECから寄せられた日程に関する要請の一部を承認したものとなる。

判事によると、コインベースのオープニングブリーフ(裁判の初期段階で当事者が主張を示すための書面)は8月4日に提出される。また、コインベースを支持する第三者からの法廷助言書であるアミカスブリーフは8月11日に提出される予定となる。

さらにこれに対して、SECは10月3日までに反対書面を提出することが規定された。また、SECを支持するアミカスブリーフは10月10日まで受理される。次に、コインベースによる反論書面の提出期限は10月24日となる形だ。

また、SECはコインベースの申し立てに応じるために60日間の期間を要求していたが、ファイラ判事は30日間しか認めていない。

法廷助言書(Amicus Brief)とは

米国の法廷における制度。裁判当事者以外の第三者が、公式に意見書を提出することを可能にするもの。その内容は裁判で考慮される。

▶️仮想通貨用語集

法廷助言書(アミカスブリーフ)について

今回のスケジュールについて、Web3に詳しい法律専門家のジェームズ・マーフィー氏が見解を披露している。

特に、裁判所が迅速なスケジュールで裁判を進めようとしていることや、アミカスブリーフを初期段階で想定していることに注目した。

アミカスブリーフを許可するかどうかは判事の裁量となるが、今回期限を提示したことでアミカスブリーフを受け取る可能性が高いことが示されていると分析した形だ。

マーフィー氏は「訴訟プロセスのスピードを上げるというコインベースの戦略はうまくいっているようだ」とも付け加えている。

アミカスブリーフについては、リップル社対SECの裁判においても、ブロックチェーン協会やコインベースがリップル社を支持するために提出していた。今回の裁判でも、仮想通貨コミュニティなどからコインベースを支持するアミカスブリーフが提出されるか注目されるところだ。

リップル社対SECの裁判では、ブロックチェーン協会が、仮想通貨業界における多くの事例は、トークンを投資契約の範囲外で使用しているとして、トークンの証券性をめぐるSECの判断に異論を唱えていた。

関連米ブロックチェーン協会、有価証券めぐる裁判でリップル社を擁護

事前ヒアリングを開催

コインベース対SECの裁判では、13日に事前ヒアリングが行われた。

この際ファイラ判事は、コインベースがナスダック上場した際にSECがそのための登録申請書を許可したことは、裁判で何らかの意味を持つ可能性があると述べている。

SECはコインベースの事業内容についても、入念な調査を行った上で、それを許可したことが想定されると意見した格好だ。なお、SEC側は、株式上場を許可することは、その会社の事業内容すべてを承認することを意味するものではないと反論している。

関連米地裁判事、コインベース対SECの訴訟で見解を披露

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