分散型ソーシャルグラフ「CyberConnect」がBaseチェーンへ拡張、ネイティブトークンをローンチへ

CyberConnectがBaseに対応

Web3(分散型ウェブ)ソーシャルグラフ・プロトコルの「CyberConnect」は7日、米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが開発中のL2ネットワーク「Base」への拡張を公表した。Baseのメインネットの利用者は、今後「CyberAccount」を通じて、スマートアカウントとしても知られる「アカウント抽象化」機能の利用が可能となる。

Baseは認証済み登録ユーザー数1億人を超えるコインベースが育成(インキュベート)しているプロジェクトで、イーサリアムのレイヤー2スケーリングソリューションとして位置づけられる。その目標は、次の100万人の開発者と10億人のユーザーを仮想通貨の世界に引き込むことだ。

CyberConnectはWeb3のソーシャルネットワーク基盤で、EVM(イーサリアム仮想マシン)チェーンに対応。ユーザーが自分のソーシャルグラフ、コンテンツ、収益化チャネル、ソーシャルデータを所有し、プラットフォームごとにネットワークを再構築することなく、異なるdApps間でシームレスな接続を可能にする。同社によれば、これまでに50以上のdAppsがこのプロトコルをベースに開発され、合計で120万人以上のユーザーを有し、月間取引数は40万件以上にのぼる。

8月4日にリリースした「CyberAccount」は、わずか2週間でポリゴン(MATIC)やConsensysのzkロールアップ「Linea」、Optimistic Rollupを使用するL2「Optimism」に展開。既に36万件以上のアカウントが生成されている。

CyberAccountは、ERC-4337「アカウント抽象化」互換のスマートアカウントシステムで、ネットワーク切り替えの必要なく様々なブロックチェーン上に展開されたdAppsを利用する機能、任意の仮想通貨でネットワーク手数料(ガス代)を支払う機能、Eメールや電話でウォレット認証を設定する機能などが実装されている。

アカウント抽象化とは

通称「スマートアカウント」とも呼ばれ、ユーザーが保有するウォレットアカウントでスマートコントラクトを使用可能にする技術。サブスクリプションや、ゲーム事業者側のガス代負担など、様々なプログラム決済が実装可能になる。従来のシードフレーズや秘密鍵の生成・保存の手間を排除し、その代わりとして2段階認証を介したブロックチェーンとの交信も可能。

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CYBERトークンのローンチへ

CyberConnectのネイティブトークンである「CYBER」についても情報が提供された。このトークンは、Binance Launchpoolで8月2日からファーミングが開始され、30日間の有効期間中にユーザーは「BNB」やステーブルコイン「TUSD、FDUSD」をステーキングして「CYBER」トークンを獲得することができる。

また、Binance(グローバル版)で、CYBERトークンの取引が2023年8月15日午後12時(UTC)に開始される予定。なお、Binance Japanが8月1日にローンチされており、日本在住ユーザーは最終的に11月30日をもってグローバル版を利用できなくなる予定だ。

総発行量1億CYBERのうち、300万がLaunchpoolに割り当てられた。23年5月にはCoinListを通じても300万CYBERが販売されていた。資金調達の段階では1CYBERあたり3ドルの販売価格であったのに対しCoinListでの販売価格は1.80ドルと、コミュニティを重視したポリシーが反映されている。

2021年に設立されたCyberConnectは、中央集権からの自由という理念を基盤に活動を展開しており、CYBERトークンもその理念の一環として導入された。

CyberConnectは、プロトコルのガバナンスを分散型コミュニティに委任する方針であり、CYBERトークンはそのコミュニティの意思決定や財務管理、プロトコルのアップデートにおいて、中心的な役割を果たすものとして位置づけられている。また、CyberIDや、CyberAccountでEVM互換チェーンを介した取引手数料(ガス代)など、エコシステム内の決済通貨としても使用される。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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