バイナンス、Curve DAO Tokenに7億円投資

Curve Financeのトークンに出資

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのベンチャーキャピタル部門「バイナンスラボ」は10日、Curve DAO Token(CRV)に約7億円(500万ドル)を投資したと発表した。Curveをバイナンスの独自ブロックチェーンBNBチェーン上で展開することも計画している。

CRVは、大手分散型取引所(DEX)Curve Financeのガバナンストークンである。ステーブルコインなどイーサリアム(ETH)ERC-20規格トークンの交換、ステーキングや投票などに使用されるものだ。

バイナンスラボのYi He所長は、出資について次のように意義を説明した。

Curveは最大のステーブルコイン取引所であり、DeFi(分散型金融)の代表的なプロトコルとして、2023年におけるこのセクターの着実な成長に貢献してきた。

このプロトコルに影響を与えた最近の出来事を踏まえ、バイナンスラボは投資と戦略的協力を通じてCurveを全面的に支援することを申し出た。

私たちは、この協力を出発点と捉え、DeFiエコシステムの成長をさらに推進するために協力することを楽しみにしている。

DEX(分散型取引所)とは

ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。

▶️仮想通貨用語集

ハッキング攻撃

He氏は具体的な出来事を特定していないが、Curve Financeは7月31日、複数の流動性プールにハッキング攻撃を受けている。

PeckShieldAlertによると、約106億円(約7,350万ドル)相当の仮想通貨がリエントランシー攻撃により盗まれている。7日までに、その73%にあたる約76億円(約5,230万ドル)が犯人から返却されたことが確認された。

しかし、現時点でまだ残額が返金されたとの報告はない。経緯として、Curve Financeは3日、ハッカーに対して、返金に応じれば流出した金額の10%に相当する資産を報奨金として与えると申し出た。

その後、ハッカーは盗んだ資金の一部を返還したものの、求められている額の返金は完了しておらず、Curve Financeは7日、犯人を特定できた者に報奨金を与えると呼びかけている。

関連Curve Finance、ハッキング犯特定に報奨金

CurveをBNBチェーン上で展開へ

バイナンスラボは、Curve Financeとのコラボレーションの一環として、Curveをバイナンスの独自ブロックチェーンであるBNBチェーン上で展開することも計画していると述べた。

複数のブロックチェーンに渡って展開され、DeFiの土台として機能しているCurveにより、BNBチェーンのDeFiエコシステムの成長が、さらに促進されるとしている。

Curve FinanceのMichael Egorov創設者は、次のようにコメントした。

BNBチェーンは、DeFiにおいて大きな存在感を獲得しており、Curve の現在および将来の製品をチェーン上に展開するのにふさわしい位置づけにある。

バイナンスと協力して、DeFiエコシステム全体でイノベーションと成長を促進していけることを楽しみにしている。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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