米財務省ら、仮想通貨の課税に関する報告強化を提案

仮想通貨取引に関する報告要件を提案

米国の内国歳入庁(IRS)と財務省は25日、暗号資産(仮想通貨)についての新たな規則案を発表した。仮想通貨のブローカーや取引所は今後、税金に関する報告を強化する必要があるとしている。業界からは、分散型取引所についても対象になるのではないかとの懸念が上がっているところだ。

この規則は、2021年に可決されたインフラ投資・雇用法の一環として提示された。取引所などが、その顧客の仮想通貨取引に関して追加で報告することを盛り込んでいる。

具体的には、取引所ユーザーが、課税対象となる取引利益を把握することができるようにする新たな報告様式を提出することを規定している。

「課税の公平性につながる」

この背景として米財務省は、納税者は売却益に対して税金を支払う義務があるが、この利益を自力で計算するのが困難なことを挙げた。

新たな様式は、納税者が確定申告をするために複雑な計算をしたり、仮想通貨の税務申告サービスを利用したりする手間を省くものだとも説明している。

また、この措置は、仮想通貨ブローカーが証券など従来型金融商品のブローカーと同じように報告を行うようにするものであり、納税の公平性にもつながると述べた。仮想通貨に関する税務申告を他の資産に関するものと整合させることにより税格差を是正し、仮想通貨がもたらす脱税リスクに対処するものだとしている。

今回提案された規則では、仮想通貨の取引に関する報告が義務付けられるのは2026年で、前年2025年の取引について報告されることになる。

米国の税制合同委員会(JCT)は、この規則が確定申告における所得のより正確な報告につながることで、10年間で約4兆円(約280億ドル)の税収増加をもたらすと見積もっているところだ。

なお、IRSと米財務省は、本規制案に対するパブリックコメントを10月30日まで受け付けている。その後、本件に関する公聴会は11月7日に開催される予定だ。

議員や業界から反対の声

今回の規制案については一部議員や業界から反対の声が上がっている。

下院金融サービス委員会のパトリック・マクヘンリー委員長は25日、規制案は「対象範囲を限定した明確なものでなければならない」として、次のように述べた

バイデン政権は米国の仮想通貨エコシステムを破壊する取り組みをやめ、議会と協力して最終的にこの業界に明確なルールを定めなければならない。

関連して、規制案はDeFi(分散型金融)にも影響を与えかねないと懸念する意見もある。

仮想通貨関連のインキュベーションを行うDelphi Labsの法務顧問ガブリエル・シャピロ氏は、中央管理者のいない分散型取引所に対しても、ユーザーの取引を追跡し毎年報告することを義務付ける可能性があり、米国での「P2Pプロトコルの使用に壊滅的な打撃を与えかねない」と述べた。

分散型取引所とは

ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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