米議員ら、ビットコインETFめぐる判決を支持 グレースケール対SEC訴訟で
グレースケール社に有利な判決受けて発言
米国のパトリック・マクヘンリー議員らは30日、グレースケール社がビットコイン(BTC)投資信託のETFへの転換をめぐる対SEC訴訟で有利な判決を受けたことについて言及した。
マクヘンリー議員は、次のようにコメントしている。
ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長による、暗号資産(仮想通貨)エコシステムに対する不当な戦いは、裁判所の検証により崩れつつある。
今回の件は、仮想通貨についての包括的な規制枠組みを法制化しなければならない理由の一つでもある。
マクヘンリー議員は、消費者保護と市場参加者への法的確実性を提供するために、仮想通貨の規制枠組みを迅速に構築することを提唱している。
特に、超党派で交渉が行われている「決済用ステーブルコインの明確化に関する法案」を前に進めることの必要性を強調しているところだ。
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また、1月に退任したばかりのパット・トゥーミー前上院議員も、今回の判決を支持して次のように述べている。
SECはグレースケール社のビットコイン投資信託をETFに転換する申請を却下するという、「恣意的で気まぐれな」決定を行っていた。
コロンビア特別区の控訴裁判所は、この決定を無効にすることで、法の支配を支え、米国の消費者に適切に貢献している。
ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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裁判の経緯
この裁判は、グレースケールがSECを相手取って起こしたものだ。同社は、ビットコイン投資信託GBTCの、ETFへの転換がSECに却下されたことを不当としてSECを訴えていた。
SECが、複数のビットコイン先物ETFをすでに承認している一方で、ビットコイン現物ETFは却下し続けていることについて「恣意的かつ投資家に損害を与えている」と申し立てていた形だ。
今回、コロンビア特別区控訴裁判所の判事は、「SECは類似した商品に対して異なる対応が行われている理由を説明できていない」と指摘、SECの判断は恣意的であるとしてグレースケールの申し立てを認めた。
SECは、グレースケールの申請を再審査することが必要だとしている形だ。SECは今後45日以内に上訴し、3人の裁判官全員による再審理を要求することもできる。
グレースケールは30日、今回の判決について「ETFにより、より安全な形でビットコインへのエクスポージャーを提供することを提唱してきた人々にとって画期的な前進だ」と述べた。
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GBTCとは
米大手仮想通貨投資企業「グレースケール」が提供する「ビットコイン投資信託」のこと。ビットコインの価格と連動した投資信託で、一般の株式と同様に売買が可能。機関投資家や米証券取引委員会(SEC)から認められた認定投資家を対象に提供されており、投資家にとってはビットコインの現物を売買・保有しなくて良いというメリットがある。
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