ブラックロックなど大手資産運用会社、ビットコインマイニング企業への投資増加の背景は ESG適合性と新たな課題とは?
運用会社がBTCマイニング企業に投資
世界大手運用会社であるブラックロックやバンガード、ステート・ストリートが、ビットコインマイニング市場での影響力を強めつつある。特にBlackRockは2020年から米マラソン・デジタル・ホールディングスへの投資を増加し続けている。
ブルームバーグ・インテリジェンスの市場アナリスト、ジェイミー・カッツ氏は26日、ビットコインの環境負荷の低減やESG(環境、社会、ガバナンス)への適合性の高まりが影響している可能性があるとの見解を示し、BTCマイニング市場への影響について分析した。
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2020年、特にマイニング業界が化石燃料に強く依存していた時期に、ブラックロックは米ナスダック上場企業であるマラソン・デジタル・ホールディングスへ投資を開始した。そして2022年、ビットコイン市場が弱気相場に突入したにも関わらず、同社は着実に上場マイニング企業への投資を増やし続けてきた。
こうした動向から得られる一つの洞察は、ビットコインの環境への影響がより前向きに認識され始めていることが挙げられる。ESG(環境、社会、ガバナンス)を重視する機関投資家の間で、ビットコインが持つ金融の民主化や透明性といった社会的・ガバナンス面での利点が受け入れられている可能性がある。
環境に優しい技術に特化したCH4Capitalの共同創設者であるDaniel Batten氏の試算によれば、ビットコインマイニング業界は、エネルギーの50%以上を持続可能なリソースから取得している。
ビットコインのエネルギー源の多くは水力が占めており、また、天然ガスや原油の採掘過程で発生するガスを捉えて余剰エネルギーとして利用し、電力網の安定化に寄与している。このような取り組みは、今後さらに拡大すると見られている。
テスラ社は2021年5月12日に、マイニングにおいて化石燃料が利用されていることへの懸念から、ビットコインを利用した電気自動車(EV)の購入手続きを一時停止すると発表。イーロン・マスク氏は当時、仮想通貨におけるクリーンエネルギーの使用率が50%に達した際に、テスラ社で一時的に停止していたビットコインによる決済の再開を許可すると述べていた。
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BTCマイニング産業の新たな課題
一方で、ビットコインマイニングの機関化が進むことで、ネットワークに対して新たな課題が生じるかもしれない。
一つの懸念は、大手資産運用会社の影響力が、ビットコインマイニング企業において増大していることだ。2020年以降、これらの資産運用会社は、米マイニング上場企業の主要投資家として台頭。潜在的にBTCのグローバルハッシュレートの約8.9%に影響力を有す状況だ。
加えて、ESGへの関心が変動する可能性も指摘されている。実際、2023年には、ブラックロックやステート・ストリートがESGファンドをいくつかクローズしている。
大手資産運用会社がビットコインマイナーに対する態度は未だ不透明であり、これが今後どのような影響を及ぼすかは注視されるべきポイントだ。これらの会社が直接的にブロックチェーンネットワークを脅かす可能性は極めて低いが、それでもなお、取引の検閲や規制上の制限に関するリスクは無視できない。
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