イーサリアムのテストネット「Holesky」起動、次期アップグレードDencunに向けて
ETHテスト環境を補強
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンについて、新たなテストネット「Holesky(ホレスキー)」の起動が28日に成功した。
Holeskyテストネットワークの立ち上げは、次期アップグレードDencun(デンクン)に向けた重要なステップ。当初の起動予定日は9月15日だったが、設定不良により延期されていた。
現行のイーサリアムテストネットとしては、「Sepolia(セポリア)」と「Goerli(ゴエリ)」が主に利用されてきたが、GoerliがHoleskyに置き換わる格好だ。
新設されたHoleskyネットワークは、テストネットトークンの不足やバリデーター数の少なさといった、課題に対処する目的で設計された。Holeskyには、イーサリアムメインネットのほぼ2倍に相当する146万のバリデーターが搭載されており、16億のテストネット用ETH「Holesky ETH」も組み込まれている。
Holeskyは、主にステーキング、インフラストラクチャ、そしてプロトコル開発のテストネットとして利用される見込み。また、Sepoliaテストネットと並行して、次期ハードフォークDencunの開発・テストに活用されていく。
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次期アップグレードDencunへの関心
Dencunにおいては、L2(レイヤー2)プロジェクトでのトランザクション手数料の大幅な削減を可能にする「プロト・ダンクシャーディング(Proto-Danksharding)」の導入が予定される。
9月21日に行われた開発者会議での発言によれば、Dencunは大枠では完成しているものの、詳細なテストが必要。メインネットでのリリースは新年以降となる見通しが出ている。
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バリデーターとは
バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。イーサリアムにおいてバリデーターの最小ステーキング量は32ETH。取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。
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