CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムのステーキング率に影響するEIP-7514とは? 次期アップグレード「Dencun」に採択

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

急増するバリデータ数

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーン開発者コミュニティは、14日の会議でバリデータ(ネットワークの運営者)の急増を抑えるための提案「EIP-7514」を正式に承認した。

EIP-7514は、ネットワークの安全性や安定性を確保する一方で、バリデーターへの報酬の仕組みを見直す時間的余地を提供するものである。ステーキング率の成長曲線に直接影響するため、業界内での注目度は高い。

バリデータとは

バリデータとは、ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。イーサリアムにおいてバリデーターの最小ステーキング量は32ETH。取引履歴を検証する役割などを持ち、その役割を果たすと仮想通貨で報酬が与えられる。

▶️仮想通貨用語集

2023年4月実施の「上海アップデート」において、イーサリアムのバリデータ解除が可能となった影響で、機関投資家を中心にステーキングへの参加が増加している。事実、同年1月のステーキング率が13%であったのに対し、現在は22%に上昇。このままバリデーター参加の勢いが続けば、2024年末には100%に達する可能性がある。

ETHに比して、ソラナステーキング率は71.15%で、ポリゴンは39%程度になっている。

ETHの新規ステーキングペースは23年3月以降増加 出典:DUNE ETH Staking dashboardより

EIP-7514の導入は、バリデーターの成長に伴う潜在的なセキュリティリスクを軽減するためのものだ。特に、資本力のあるバリデーターの数が短期間で増加し過ぎると、ネットワークの中心化や通信の負荷が増大する恐れがある。さらに、一部のステークホルダーに報酬が偏りすぎると、攻撃のインセンティブを高め、ネットワークに不確実性をもたらすリスクが高まる。

関連:イーサリアム(ETH)ステーキング報酬の出金状況と今後の見通しは?

具体的な仕組み

具体的には、EIP-7514により、イーサリアムネットワークのバリデータの成長率を制御するため、エポックあたりのバリデータ追加上限を12から8に削減することとなる(1日のエポック数は7,200)。この変更によって、ネットワークの負荷やセキュリティリスクが適切な範囲内で保持されることが期待される。

なお、EIP-7514は短期的な手段として位置づけられており、2023年末のイーサリアムの次の大型アップグレード「Dencun」に向けた改善提案(EIPs)の一部として採択されている。今後も、ネットワークの報酬やセキュリティに関する方針は、継続的な議論を経て調整されることとなるだろう。

関連:イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」、重要性とメリットとは?

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア