460万円分の仮想通貨ETH没収、Lidoでスラッシング事例 Lidoは損失を補償する方針
460万円相当のETHが没収される
イーサリアムの分散型ステーキング・プロトコルであるLido Financeにおいて12日未明、「スラッシング」と呼ばれる罰則イベントが発生したことがわかった。
このインシデントに関与したのは、Lidoの分散型ネットワークの一環としてLaunchnodesによって運営される20のバリデーターで、暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)約20ETH(約460万円相当)が没収された。
スラッシングとは、バリデーターがダウンタイムや不正行為など、その責務を適切に果たさなかった場合、ステークしたETHトークンが一部没収されるプロセス。イーサリアムの公式規定によれば、ステークしたイーサリアムの1/32(最大で1ETH)が即座にバーン(破壊)され、36日間の削除期間中に追加のペナルティが計算される。
今回影響を受けたLaunchnodesは、トラブルの原因を「インフラストラクチャとWeb3サインアップ構成の問題」に起因するものとしている。関与するバリデーターはトラブルシューティングを実施するため、一時的にオフラインとなっている。停止期間に応じてこれが増額されることになる見込み。
一方、Lidoは本件で発生した損失を全てカバーし、stETHの保有者に対して追加の損失がないことを明言している。スラッシングの影響を軽減するためのカバーファンドに、約6,200 ETH(15億円)が蓄積されている。
損失の具体的な規模は後日判断され、コミュニティはLido DAOカバーファンドが影響を受けたホルダーに対して補償すべきかどうかを議論・決定することになる。
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Lidoは保険基金で対応
Lido Financeはイーサリアムの分散型ステーキングプールであり、ユーザーがイーサリアムを預けることで、プロのバリデータによる運用を受ける。受益トークン(stETH)を受け取り、これを用いて流動性へのアクセスやさまざまなDeFiプロトコルへの参加が可能となる。
今回のように、バリデータが問題を起こし、イーサリアム・ネットワークからペナルティを受けると、stETHホルダーは受益の損失を受ける可能性がある。しかし、Lidoが損失カバーを表明したことから、stETHの価値は前日比+0.3%(CoinMarketCap調べ)と、この事件による影響を受けていないようだ。
DefiLlamaによれば、Lidoは現在もっとも大きなリキッドステーキングプロトコルとなっており、同プロトコルにロックされている総資産価値は約2兆円に上る。
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