ハッキング被害額9割を回収、ソーシャルファイ「Stars Arena」

1割の報奨金と引き換えに

アバランチ(AVAX)ブロックチェーン基盤のソーシャルファイ(SocialFi)プロジェクト「Stars Arena」は12日、7日のハッキングで失われた26万6,104 AVAX(被害発生時4億5,000万円相当)の約90%を回収したと発表した。

Stars Arenaは、10%の報奨金及びブリッジで発生した損失分1,000AVAX(合計2万7,610 AVAX)を支払うことで、ハッカーと合意に達し、23万9,493 AVAXがプロジェクトに返還された。

最新のアップデートによると、被害額と回収額の差額を補うためにこれまでの全手数料が充てられ、また民間投資家グループからのつなぎ融資を受け取る予定だという。

Stars Arenaは7日、同プロトコルのスマートコントラクトで「重大なセキュリティ侵害」が発生したとツイート。ユーザーに入金を止めるように呼びかけた。DeFi情報プラットフォームDeFiLlamaによると、このハッキングによりプロトコルからほぼすべての資金が流出したという。

セキュリティ企業PeckShieldは、スマートコントラクトのリエントランシーに関する脆弱性がこのハッキングの原因となっていると指摘した。

Stars Arenaは9日、プラットフォームのセキュリティ向上を図るため、スマートコントラクト監査企業Paladin Blockchain Securityとの協業を発表。また同日、ソフトウェアエンジニアの「0xlocrian」氏と提携し、同プラットフォームの技術力を強化すると述べた。

11日には、0xlocrianチームが完全に新しいスマートコントラクトを作成し、Paladinによる監査が最終段階にあると発表した。

Stars Arenaとソーシャルファイの流行

Stars Arenaは分散型ソーシャルメディア(DeSo)のアプリで、アバランチのCチェーン(=Contract チェーン:EVM(イーサリアム仮想マシン)との互換性を持つ)上に構築されている。

ソーシャルファイ(SocialFi)分野の分散型アプリ「Friend.tech」(フレンドテック)の類似技術を利用しており、アバランチ版friend.techとして注目を集め、ハッキング発生前には一時、取引量が本家を上回るほど活況を呈していた。

Friend.techは、イーサリアムL2ネットワーク「Base」 上に構築され、今年8月にローンチ。ユーザーはFriend.techと自身のX(旧ツイッター)アカウントを連携し、独自のソーシャルトークン「Keys」を発行したり、他のユーザーのKeysを取引することができる。Keysを保有することで、特定の発行者のプライベートチャットや他の機能にアクセスする権利を得る。

Friend.techはローンチ以来、瞬く間に10万ユーザーを獲得し、一度は活動が減速したものの、最近になって再び利用者の活動が活発化している。

関連:X(旧ツイッター)と連動するソーシャルFi「friend.tech(フレンドテック)」、魅力とリスクを分析

9月には、ソラナ上に構築された「Friendzy」、ビットコイン上の「Alpha」、Arbitrumの「Post tech」、Mantleの「Fan Tech」など、Friend.techのフォーク版が相次いで誕生し、ソーシャルファイのトレンドに拍車をかけた。

Stars Arenaは9月20日にローンチ。その時点で15万8,000件だったアバランチCチェーンのトランザクション数は、10月3日までには25万件を超えるほど急増した。

Stars Arenaの人気が急上昇した背景には、ユーザーにとって参加のハードルが低い点があるようだ。

Friend.techに参加するには、0.01ETHを自身の口座に入金する必要があるが、Stars Arenaは初期費用が無料で、Xアカウントを連携するだけで利用が可能。また、他のユーザーの「チケット」を購入することで、プライベートチャットにアクセス可能になるが、公開フィード機能が備わっており、ユーザーは資金を投入することなく、他のユーザーのフォローが可能となっている。

さらにユーザーの投稿に対する投げ銭機能があり、チケットを売買しなくてもチップによって収益の確保ができることも特徴だ。

関連:Friend.techコード活用のソラナ「Friendzy」など、ソーシャルファイが流行に

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