高値圏推移のビットコイン、イーサリアム先物市場では機関投資家のアルゴ買い観測か
マクロ経済と金融市場
23日の米国株式市場は、サンクスギビングデー(感謝祭)の祝日のため休場。
東京株式市場では、欧米株指数高もあり、前場の日経平均株価は前日比263円(0.79%)高の33,715円と続伸した。
先月の日経平均は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化観測に伴う米ハイテク株安を受けて大幅下落した。10月26日には30,538円まで下げる場面もあったが、その後3000円以上反発し、新高値を見据えている。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比0.1%高の1BTC=37,390ドルに。
バイナンスを巡る報道で一時急落したものの、その後すぐに反発して高値圏を回復しており、相場のアク抜けとなったか。
“仮想通貨元年”と呼ばれた強気相場の2017年7月に香港で誕生したバイナンスはその後急速に勢力を拡大し、最盛期には世界のマーケットシェアの内6割近くを掌握していたとされる。
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結果的に法令違反を認めるなど賛否ありながら業界を牽引してきたチャンポン・ジャオCEOの退任を惜しむ声はあるものの、米規制当局と係争状態にあるような膿は一旦出し切ったとの見方もある。
差し迫った課題が山積される一方、規制当局はこれ以上の混乱を避ける軟化姿勢を見せており、バイナンス自体も事業として存続できる見通しが立ったことで、少なくともFTXに続く破綻リスクなどの懸念は払拭された。
責任を取る形で辞任したCZ氏の後釜として白羽の矢の立った元アブダビ・グローバル・マーケットのリチャード・テン氏へと意思を継ぎ、一つの時代が終わりを告げたと言えるだろう。
CryptoQuantのアナリストであるBradley Park氏は、バイナンスとコインベース・プロにおけるフローの変化に着目。
バイナンスのビットコイン準備金は5,000BTC減少したのに対し、機関投資家主体のコインベース・プロの準備金は約12,000BTC増加した。一方で、暗号資産(仮想通貨)の現物取引高は依然として高く、バイナンスはコインベース・プロの約6倍を維持しているという。
暗号資産(仮想通貨)関連の金融サービスを提供するプラットフォームで「Matrixport」のアナリスト、マーカス・ティーレン氏は、次のような見解を示した。
「想定され得る中でも最悪なシナリオが消え、43億ドルの罰金額は懸念されていた100億ドルほど深刻でなかったため、今後数年間は業界トップ3に入る取引所であり続ける可能性が高い。ビットコインが12月に40,000ドルに達する確率は9割を超えるだろう。」
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アナリストのMaartunn氏は、イーサリアム(ETH)に7億ドル相当の組織的な買いがみられると言及した。
イーサリアム先物市場でOI(未決済建玉)が“直線的に増加”していることを根拠に、時間加重平均価格(TWAP)に基づく買いの痕跡を指摘したものだ。
これはbotを利用したアルゴリズム(アルゴ)取引の一種であり、大口注文を扱う機関投資家やファンドマネージャーによって利用される取引戦略である。彼らは、自己注文による市場価格への影響を最小限に抑えるべく、大量の注文を小さな注文に分割した上で一定期間に渡って均等に金融商品を買い入れる。
最大手資産運用会社ブラックロックによるイーサリアム現物ETF(上場投資信託)申請が報じられる中、米SEC(証券取引委員会)による上場承認の可能性を踏まえ、機関投資家が強気姿勢で買い方に回っていることを示唆した。
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インシデント発生
悪材料としては、分散型取引所(DEX)アグリゲーターのKyber Swapから、4600万ドル相当の暗号資産(仮想通貨)が不正流出した。
スマートコントラクトの脆弱性や設計上の欠陥を悪用したエクスプロイトと見られ、イーサリアムのほか、オプティミズム(Optimism)やアービトラム(Arbitrum)などを中心に被害に遭った。
AmbientFinanceの創業者であるDoug Colkitt氏によれば、今回のエクスプロイトはKyber特有の集中流動性に依存するもので、UniSwapやAmbientなどに波及するリスクは低い。
KyberNetworkや有識者らは警鐘を鳴らし、資金の引き出し及びリボーク(Revoke)を勧めており、DeFiプロトコルへの預け入れ総額を示す「Total Value Locked(TVL)」は数時間で激減した。
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