パンテラ・キャピタル創設者「バークシャー・ハサウェイ副会長のビットコイン批判は笑止千万」

ビットコイン急騰への懸念

米大手暗号資産(仮想通貨)VC、パンテラキャピタルの創設者であるダン・モアヘッド氏は、米投資会社バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガー副会長の最近のビットコイン発言について、「大笑い」するほど的外れだと痛烈に批判した。

伝説的投資家ウォーレン・バフェット氏の盟友でありブレーンとも言われるマンガー氏は以前より、ビットコインに対し「幻覚に過ぎない」など、辛辣なコメントを繰り返してきたことで知られる。

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マンガー氏は米ウォールストリートジャーナル紙とのインタビュー(11月3日報道)で、昨今のビットコイン価格急騰について気になることがあるかと尋ねられると、「もちろん」と答え、以下のように主張した。

狩猟採集から文明に到達する唯一の方法は、強力な通貨を持つことだ。貝殻でもいいし、トウモロコシの穀粒、その他の様々なものでも構わない。金貨かもしれないし、アメリカやイギリスのような銀行システムの約束事などでも可能だ。

人為的な通貨を作り出そうとするのは…長い間、多くの人々にとって、うまく機能してきたレシピに悪臭のする玉を投げ込むようなものだ。

モアヘッド氏は15日、月例の投資概観で、このマンガー氏の発言に対し、「正直言って、これは大笑いだ。一体こいつらは何なんだ」と切り出し、「テクノロジーを理解していない高齢の白人男性が、新たなテクノロジーを侮辱している」と指摘した、マーク・アンドリーセン(米VCアンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者)の言葉を引用した。

ちなみにマンガー氏は99歳で現役だ。

トウモロコシVSビットコイン

マンガー氏が通貨の例として取り上げたトウモロコシ穀粒は、この70年で驚異的なインフレを記録しており、83%の価値が失われたとグラフを用いて指摘した。

同氏は自身の富を「本質的に価値が下がっている通貨」と、「14年の平均で年間117%上昇した通貨」のどちらに保存しておきたいのだろうかと、マンガー氏の説明の稚拙さを揶揄した。

国家の発行通貨

モアヘッド氏は、国家が発行する通貨が「長い間存在し、多くの人にとってうまく機能してきた」とするマンガー氏の主張は間違っっていると指摘。米ドルで発生したインフレは、「マンガー氏のような少数の金持ち資産家にとっては良いことかもしれないが、大多数の人々にとっては、今も昔もそうではない」と批判した。

その根拠として、政府発行通貨で驚異的なインフレに見舞われた通貨である「インフレ率1,198%」となったベネズエラのボリバル、1兆ドル紙幣を発行したジンバブエ、そして7回もデフォルトを起こしたアルゼンチンの例を取り上げた。

モアヘッド氏は、「機能していない政府発行通貨を使用する人々が何十億人もいるが、地球上の大多数の人々が、ビットコインでより良い生活を送ることができると信じている」と主張している。

特許の取得されていないビットコインは、機能不全に陥っている政府発行通貨によって、生活に深刻な影響を受けている何十億の人々への「贈り物」であるとモアヘッド氏は言う。そして、なぜマンガー氏のような「時代遅れの反動主義者」がその事実に感謝できないのか、理解できないと批判した。

国家と貨幣

モアヘッド氏は、米国は金融・財政政策で「重大な誤りを犯した」と考えているが、その政策について誰も同氏に投票で支持するように頼んだことはないと指摘。一方、ブロックチェーン資産を活用して自身の貯蓄を保存し増やすことによって、「自分のウォレットで意見表明(投票)すること」が可能になると主張する。

ブロックチェーンは貨幣と国家の分離である。我々はそれぞれ自分のウォレットで採択することができるのだ。ある通貨のインフレ政策が気に入らないならば、別の通貨に切り替えることも可能だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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