香港で仮想通貨詐欺相次ぐ 規制当局はライセンス猶予期間据え置き

規制の猶予期間は変わらず

香港証券先物委員会(SFC)のジュリア・リョン最高経営責任者(CEO)は、相次ぐ詐欺事件に関わらず、暗号資産(仮想通貨)規制条例の猶予期間は予定通りとすると述べた。

リョン氏は、次のように話している。

猶予期間が明日終了しても、詐欺は依然として発生するだろう。そのため、当面の間、猶予期間などを変更するつもりはない。

また、投資家教育が重要であり、特にリターンの高い案件を紹介された場合は警戒する必要があると改めて注意を呼びかけた。

SFCのライセンス担当責任者を務めるウォン・ロクヤン氏もリョンCEOに同意し、猶予期間導入の本来の意図は、仮想通貨プラットフォームが関連ライセンスを準備・申請するための十分な時間を確保することだと述べている。

香港SFCは6月より仮想通貨の新規制を施行している。仮想通貨企業は既存のものも含め2024年6月までにライセンス申請を行う必要がある。ただし、暫定移行期間中は、猶予期間として未登録の取引所も営業することが可能だ。

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Hounaxの詐欺も新たに発生

背景として、香港では詐欺が相次いでいることがある。9月には、未登録の仮想通貨取引所JPEXの詐欺事件が発生。2,360件の被害が確認されており、被害総額は約283億円にも上った。

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JPEX事件後、香港証券先物委員会(SFC)と香港金融管理局(HKMA)は、追加の投資家保護策を導入している。仮想通貨の仲介事業者に対して、リスク開示やリテール投資家の持つ仮想通貨についての知識をテストすることなどを義務付けた。

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しかしその後も複数の詐欺が発覚している。今月25日には、香港警察が仮想通貨取引所Hounaxに対する捜査を開始した。この動きは、130人以上が総額約23億円(1億2,000万香港ドル)近くを騙し取られたと申し立てていることを受けたものである。

香港SFCは、今月初めの段階で、金融機関やベンチャーキャピタルとの関係について虚偽の説明を行っていたことから、Hounaxを疑わしい仮想通貨取引プラットフォームとしてブラックリストに掲載していたところだ。

SFC商業犯罪局長のチャン・ワイケイ氏によると、Hounaxの詐欺師は投資専門家になりすまし、高いリターンを約束して人々をその仮想通貨プラットフォームへ誘い込んだという。

しかしその後、投資家らはプラットフォームに預けた資金を引きだせなくなった形だ。

その他、10月にはバイナンスを騙るフィッシング詐欺も発生し、11人が合計約6,650万円以上の損害を受けている。

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フィッシング詐欺とは

偽サイトに誘導するなどして利用者を騙し、認証情報や個人情報を詐取するサイバー犯罪のこと。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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