先物市場に偏りも、ビットコイン上抜けは今週が勝負か|bitbankアナリスト寄稿
今週12/16(土)〜12/22(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
12/16(土)〜12/22(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は確りとした推移となり、22日正午時点で前週の下げ幅をほぼ解消している。
週明けの米時間にBitwiseが新たなテレビCMを公開したことや、ブラックロックがETFの組成と償還をキャッシュで行う方法に妥協したと伝わり、市場の現物型ビットコインETF早期承認期待が掻き立てられ、BTCは580万円台から620万円台に戻した。
これにより相場がドル建てで4.3万ドルを回復すると、その後は利食い売りに伴うロングのロスカットで600万円近辺まで押したが、米株の上昇やソラナ(SOL)を筆頭に物色が入り、21日には、相場は630万円まで回復した。
ところが、この日の米時間に発表された12月の米消費者信頼感指数が市場予想比で上振れると、相場も失速。その後も4.4万ドル水準となる627万円の維持を試すも、利益確定の売りに押され、同水準の上抜けに苦戦している。
米消費者信頼感指数は上振れとなったが、FF金利先物市場では引き続き来年3月からの利下げ開始が織り込まれており、市場の金利見通しに大きな影響はなかった。
22日米時間には、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注目する個人消費支出(PCE)価格指数の11月分データが控えており、市場では前年同月比での伸びの鈍化が予想されている。
セオリー通りに考えればPCE価格指数の伸び鈍化はBTC相場にとってプラスだが、足元では相場の上値を圧迫し得る材料が浮上している。BTCの先物市場では、3カ月後に期限を迎える先物価格が現物価格に対して大幅に上方乖離している他、無期限先物の資金調達率(fr)も11月ぶりの高水準に達しており、先物市場のポジションが買い持ちに相当傾いていることが示唆されている(第2図)。
ということは、先物市場では買いの息切れや、相場上昇の燃料となるショートポジションの減少が指摘され、BTC相場が上に走りにくい状況と言える。
オプション市場では4.5万ドルストライクに建玉が集中していることから、相場が4.4万ドルの上抜けに成功すれば、ネガティブガンマのヘッジに伴う現物買いか先物ロングで相場が節目の水準に吸い寄せられる可能性があるが、先物市場の現状を鑑みるに、4.5万ドルの綺麗な上抜けは難しいか。
今週から米国では年末の休暇に入っている市場参加者も多いと指摘され、今週中に4.5万ドルの上抜けに成功しなければ、年内の5万ドル到達も厳しいだろう。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:調整基調のビットコイン、4.5万ドル上抜けにはさらなる材料が必要か
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