はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

調整基調のビットコイン、4.5万ドル上抜けにはさらなる材料が必要か|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週12/9(土)〜12/15(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

12/9(土)〜12/15(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は週明けに急落を演じるも、その後は底堅い推移が続いており、15日正午時点で、610万円周辺で推移している。

今週は14日未明の米連邦公開市場委員会の結果を控え、週明けからBTCには利食いが入ると、相場はロングのロスカットを伴って640万円周辺から610万円まで急落を演じた。この日の米時間にも売りが優勢となり、相場は一時600万円を割り込むも、4万ドル水準近辺(約580万円)で押し目買いが入った。

しかし、翌12日は4.2万ドル水準(約610万円)で上値を抑えられると、11月米消費者物価指数(CPI)が前月比で若干伸びが加速したことで、相場は再び600万円を割り込んだ。

一方、その後もBTCは4万ドル水準で買い支えられると、13日米時間には11月の米卸売物価指数(PPI)の下振れを受けて反発。さらに、14日未明にFOMCが俄かにハト派転換したことで、相場は一時620万円を回復した。

14日の米時間には、Ledgerのコネクターライブラリを使用するDAppsに脆弱性が見つかった他、11月の米小売売上高が上振れたことで、BTCはまたもや急落するも、Ledgerが脆弱性に迅速に対応したことや、FOMCの結果が引き続き好感され、相場はすかさず下げ幅を取り戻した。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

FOMCは13日、3会合連続の金利据え置きを決定した他、経済見通しで金利の見通しを引き下げた。さらに、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会合後の記者会見で、利下げ時期についての議論があったことに言及し、今回の会合は市場にとってハト派サプライズとなった。

この他、FOMCの注目ポイントとしては、11月の声明文の冒頭で「経済活動が強いペースで拡大した」とあった文言が、「経済活動が強い拡大ペースから減速した」に置き換えられたことや、パウエル議長が記者会見で、「会合参加者は金利を高水準で長期的に維持しすぎることの景気への懸念を示した」といった発言があり、FRBの景気への気配りが今年で一番強くなったように窺えた。

FRBによる利下げ議論の開始や景気への配慮が見えてきたことはBTCを含めリスクアセットにはポジティブな材料ではあるが、会合通過後のFF金利先物市場は、来年3月を皮切りに2024年は6回の25bpの利下げを織り込んだ。

第2図:BTC対円、ビットコインハッシュレート、マイナーネットポジション変化(30)出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

FOMCの見通しでは2024年末のFF金利は4.75%での着地だったことに対して市場は4%での着地を織り込んでおり、先週も指摘の通り、市場が急ピッチな利下げを過度に織り込んでいる状態は変わっていない。

確かに現状では米国の景気が急速に拡大しているサインは確認できないが、減速のペースが緩慢であれば、FRBは様子を見ながら利下げのタイミングを後ろ倒しにする可能性は依然として残っており、引き続き市場の楽観が巻き戻す可能性には警戒しておきたい。

さて、今週は調整基調で始まったBTCだが、心理的節目の4万ドルでは粘り腰を発揮し底堅い推移となった。とは言え、相場は先週高値4.5万ドルまで戻す勢いもなく、週後半からは方向感に欠ける展開となっている。この先はテクニカル的な要因で上値を試す余地はあると見ているが、4.5万ドルの上抜けには追加で材料が必要そうだ。

来週は週後半にかけて米国の第三・四半期GDP成長率確定値や11月の個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、それまでは4万ドル〜4.5万ドルでの揉み合いが続くか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:今週のビットコイン650万円まで高騰も、値幅調整リスクには要警戒

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/09 日曜日
11:30
週明けから急落のビットコイン、相場復調の前提条件は?|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン相場は続落の見通し。AIバブル崩壊や景気後退懸念から1560万円周辺まで下落。ただし短期筋の97%が含み損となっており、下値余地は限定的との指摘も。bitbankアナリストが今後の展望を解説。
11:00
週刊ニュース|金融庁の仮想通貨ETF関連デリバティブ国内提供への見解に高い関心
今週は、暗号資産ETF関連デリバティブの国内提供に対する金融庁の見解、ビットコインの10万ドル割れ、仮想通貨の最新市場分析に関する記事が関心を集めた。
11/08 土曜日
13:55
JPモルガンのビットコインETF保有量、3ヶ月間で64%増
JPモルガンが第3四半期にブラックロックのビットコインETFを207万株追加し、保有総数は528万株となった。6月から64%増加。
13:30
イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加 将来性への信頼高まり示すか
仮想通貨イーサリアムのバリデータ参加待ちが増加している。The Blockが長期視点の投資家増加が示唆されると指摘した。ステーブルコインのインフラとしての期待も高まっている。
11:30
「ビットコインは重要なサポートレベル付近で推移」CryptoQuantレポート
CryptoQuantが最新市場レポートで、仮想通貨ビットコインが10万ドル付近の重要サポートレベルで推移していると指摘した。複数の指標から現在の状況を分析している。
11:20
ストラテジー、STRE優先株を1株80ユーロで価格設定 1100億円調達予定
ストラテジーが10%利回りのSTRE優先株を1株80ユーロで発行し、7億1500万ドルを調達する予定。当初計画の2倍超となる775万株を発行し、資金はビットコイン取得に充てられる見込みだ。
10:12
ビットコイン再び10万ドル割れ、USDXデペッグがDeFiに波及し信用不安広がる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは5日以来、再び一時10万ドルを割り込んだ。ステーブルコイン「USDX」の担保不足によるデペッグ(乖離)が複数のDeFiプロトコルに波及し、市場全体に信用不安を広げた。
09:50
トランプメディア、第3四半期に84億円の赤字、保有ビットコインの価値は73億円減
トランプメディアが第3四半期に5480万ドルの純損失を計上し、3四半期連続の赤字となった。保有ビットコインの価値は4800万ドル減少したが、オプション収入で1530万ドルを獲得。
09:35
カザフ、最大10億ドルの仮想通貨準備基金設立へ 2026年初頭立ち上げ予定
カザフスタンが最大10億ドル規模の国家仮想通貨準備基金を2026年初頭までに設立する。押収資産と国営マイニング収益を原資としてETFや関連企業に投資する方針だ。
08:25
XRP保有企業エバーノース、約120億円の含み損に 仮想通貨財務企業に圧力
仮想通貨XRPを企業の財務資産として保有するエバーノースが約2週間半で7900万ドルの含み損を抱えている。メタプラネットなど他の仮想通貨保有企業も大幅な含み損に直面している。
07:20
片山金融相「3メガバンクのステーブルコイン共同発行を支援する」
片山さつき金融相は、3メガバンクやプログマらが行うステーブルコイン発行の実証実験を金融庁がサポートすることが決定したと話した。決済高度化プロジェクトの設置にも言及している。
07:10
米FRB理事がドルステーブルコイン市場の成長を評価、一方で合成型USDXは大幅デペグで0.6ドルに
米FRBのミラン理事がドル連動型ステーブルコインを巨大な成長分野と評価した。一方で合成型ステーブルコインUSDXが大幅デペグを起こしバランサー攻撃の影響で連鎖的な危機が広がっている。
06:20
コインベース、Asterなど上場検討
米大手仮想通貨取引所コインベースが複数の銘柄を同社の上場ロードマップに新たに追加した。
05:55
ジーキャッシュ連日高騰、時価総額100億ドル突破 1カ月で約4倍上昇
プライバシー仮想通貨Zcashが過去1カ月で3倍上昇し時価総額100億ドルを突破。アーサー・ヘイズ氏らの支持やグレースケール関連商品の人気拡大が上昇を後押ししている。
05:35
リップルのロング社長、IPOの予定なしと再度表明
リップル社のモニカ・ロング社長が株式公開の計画はないと再び明言した。同社は企業価値400億ドルで5億ドルの資金調達を完了し、十分な資本があると説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧