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今週のビットコイン650万円まで高騰も、値幅調整リスクには要警戒|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週12/1(土)〜12/7(金)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

12/1(土)〜12/7(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は、先週まで上抜けに苦戦していた561万円(当時のドル換算で38,000ドル水準)の上抜けに成功し、一時は2年1カ月ぶりに650万円を回復した。8日正午時点では、相場はやや軟化し、620万円台での推移となっている。

1日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに慎重な姿勢を示したことで、BTC円は同日に561万円乗せに成功すると、週末も確りとした推移を維持し、オプション市場で建玉が集中する4万ドル水準(約576万円)を目指した。

すると、オプション勢のヘッジによる現物買いとショートカバーを伴い、週明けには620万円周辺まで上値を伸ばした。

この日はブラックロック(BR)とビットワイズが、それぞれ米証券取引委員会(SEC)に申請している現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)に修正書類を提出。すると、翌営業日にコインベースの株価(COIN)が急伸。加えて、この日発表された10月のJOLTs求人件数が下振れたことで米債利回りが低下し、BTCは一時650万円にタッチした。

一方、これにより相場は4.5万ドル水準にタッチすると失速。6日にはADP雇用報告で民間部門雇用者数が下振れたが、景気後退懸念による米株の軟化や、米債利回りの低下が行き過ぎとの警戒感から米市場は冴えない動きとなり、BTCは上値追いに失敗した。

すると7日には、日銀の政策修正観測が台頭したことによるドル円相場の急落や、アルトターンによるBTCからの資金逃避で相場はさらに軟化。この日の米時間にはドル円相場がもう一段安となり、相場は620万円下抜けを窺う展開となった。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

ドル建てのBTC相場は週明けの上昇幅のほとんどを維持しているが、円建て相場は為替の影響で軟化した格好だ。

JOLTs求人件数とADP雇用報告は米労働市場の減速を示し、FRBによる利上げ打ち止めや早期利下げを連想させる結果となったが、米国債利回りは直近で急速に低下しており、市場では「短期間に下げ過ぎ」という懸念の声が散見される。

こうした中、8日に発表される11月の米雇用統計では、非農業雇用者の月間増加数が10月の15万人から18万人に改善することが見込まれている。

米債利回りの下げ過ぎ感に加え、雇用統計の結果が市場予想通りであれば、FRBが利下げを急ぐ必要はないとの思惑から、反動により利回りが急反発する可能性があり、BTC相場への下押し圧力には要警戒だ。

昨今の米経済指標からは、労働市場の減速やインフレ鈍化が確認され、BTCにとってもポジティブと言えるが、市場は過度に早期且つ急ピッチな利下げを織り込んでいると指摘され、その巻き戻しが起きた際にはBTCを含めリスク資産に強い向かい風となりそうだ。

また、BTCの日足相対力指数は「買われ過ぎ」とされる70%を超えており、仮に米雇用統計が相場の味方となったとしても、過熱感から上昇一服後には利食いが入る恐れがあり、いずれにせよ足元の相場の上昇トレンドは長く続かないか。

加えて、先週末にBTC相場が上昇したことで、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のBTC先物では3.95万ドル〜4.05万ドルの間に窓が開いており、値幅調整が入る可能性には依然として警戒が必要と言えよう。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:米経済減速続けばビットコイン上抜けは時間の問題か

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