今週11/25(土)〜12/01(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
11/25(土)〜12/01(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円は、560万円周辺で揉み合いに終始しており、3.8万ドル周辺(≒561万円)の水準の上抜けに苦戦している。
バイナンスのCZに米国で10年ほどの実刑が課される可能性が浮上し、同社の運営に不透明感が再燃する中、週明けのBTCは560万円からやや軟化し、550万円割れを窺う展開で始まった。
しかし、この日発表された米住宅販売戸数の下振れや、米5年債の入札で予想を上回る需要が確認されたことで、米債利回りが低下し、BTCは下げ止まった。
翌28日には、米住宅価格指数が下振れた他、米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が向こう数ヶ月で利下げ開始の可能性について言及したことで、BTCは560万円を回復したが、ドル建てで3.8万ドルを回復すると売りが優勢となり、上げ幅を縮小した。
そんな中、この日は米証券取引委員会(SEC)がフランクリン・テンプルトンとハッシュデックスの現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の判断を延期し、パブリックコメントの募集を開始した。
当2件のETFの次の判断期限は2024年1月1日となっていたが、SECが審査を前倒しにしたことで、市場では1月のETF承認期待が浮上し、29日の東京時間にBTCは再び560万円を回復した。
一方、相場がドル建てで3.8万ドルに乗せると再び失速。米国での規制強化も相場の重石となり、BTC円は560万円台の維持に失敗した。ただ、米国の消費やインフレの減速が相場の味方となり、BTCは560万円周辺で底堅い推移となっている。
ビットコインETFに関しては、(来年)1月の全件同時承認の可能性が浮上している他、SECがETFを申請している各社との面談をしていると報道されている割に市場の感度が低くなってきている様子が窺える。実際、SECはフランクリンとハッシュデックスのETFのパブリックコメントを募集している間は承認判断を下す可能性は低いと推測され、ETFを巡って目星い材料は1月まで期待できないか。
ただ、米国の9月住宅販売戸数の下振れや、第三・四半期個人消費の下方修正、10月個人消費支出(PCE)価格指数の下振れなど、米経済のファンダメンタルズはFRBの利上げ停止と市場の来年上半期中の利下げ開始観測を正当化する内容と言え、このまま米経済活動の減速がデータで示されれば、3.8万ドル上抜けも時間の問題と見ている。
11月30日には、10月の米PCE価格指数が下振れとなる中、ドルと米債利回りが俄かに反発したが、これは双方とも直近で強く押していたことによる反動や、月末のポジション調整が影響していると指摘され、BTC相場への影響は限定的だろう。
BTCが3.8万ドルの上抜けに成功すれば、オプション市場で建玉が集中する4万ドル(≒592.3万円)が上値目途として挙げられる。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:高値圏で揉み合うビットコイン、市場のETF早期承認期待は剥落か