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イラン停戦期限迫る、原油とビットコインが綱引き

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • イラン停戦、21日に期限切れ
  • ホルムズ海峡の封鎖でビットコインが乱高下

4月8日の停戦合意により直接的な軍事的エスカレーションは緩和されたものの、米国とイランの核問題をめぐる核心的対立は解決されておらず、イラン紛争は市場が織り込みきれない局面に入った。

3月下旬の初期エスカレーション時には原油価格が1バレル115ドルを超え、インフレ期待を押し上げると同時に世界株式の広範な売りを誘発した。ビットコイン(BTC)をはじめとする主要仮想通貨も、紛争の展開やホルムズ海峡の通行リスクに即座に反応した。

4月17日にイランがホルムズ海峡を商業船舶に全面開放すると宣言したことを受け、ビットコインは78,000ドルに迫る水準まで急騰した。同セッションで原油価格も下落し、市場のリスクセンチメントが改善した。ただしこの動きは24時間以内に反転し、イランが規制を再び強化すると、ビットコインは乱高下するレンジに戻り、原油価格も反発した。

停戦は4月21日の期限を前に維持されているが、延長や第2回交渉の開催についていずれの当事国も確認していない。

関連記事:ビットコイン急伸、ホルムズ海峡開放と原油急落で内部環境に強気サイン|仮想NISHI

仮想通貨ビットコインは、17日夜から18日朝にかけて上昇した。背景には、中東情勢を巡る緊張緩和期待の高まりがある。米原油先物市場ではWTI期近が一時70ドル台まで大きく下落した。

停戦期限が迫るも合意なし

パキスタンの仲介により4月8日に2週間の停戦が成立し、緊張緩和が図られた。4月12日にはイスラマバードで米・イラン直接交渉が行われ、21時間に及んだが合意には至らなかった。

核条件をめぐり交渉は決裂した。イランは核開発停止のコミットを拒否し、これが中心的な争点となった。JDバンス米副大統領はイランが会合で米側の条件を拒否したと述べ、イラン側は米国の要求を過大かつ受け入れがたいと表現した。

4月17日、イランはホルムズ海峡の再開放を発表し、商業船舶の通過を許可した。供給改善を見込んだトレーダーの動きにより、数時間以内に原油価格は約10%下落した。一方で米海軍は同期間中もイラン港湾への規制を維持しており、この発表の影響を限定的なものにとどめた。

4月18日、イランは方針を翻してホルムズ海峡の管理を再び強化した。イラン革命防衛隊の海軍部隊がインド船籍の2隻に発砲し、強制的に引き返させた。モハンマド・バゲル・カリバフ国会議長は、米国によるイラン港湾封鎖が続く限り、海峡へのアクセスを封鎖すると表明。イラン国家安全保障会議は紛争が終結するまで通行の監視を継続すると確認した。

パキスタン当局が仲介を主導しているが、停戦期限を前に米・イランいずれも第2回交渉の開催を確認していない。進展の欠如が世界市場全体の不確実性を高止まりさせている。

ビットコインが市場の価格形成を先導

4月8日から18日にかけて、ビットコインはイラン紛争の展開を最も素早く織り込む価格形成機能を果たした。トレーダーは海峡の通行状況や原油価格の動向に応じてポジションを調整した。停戦発表前、BTCは69,000ドル付近で推移していたが、4月8日から24時間以内に72,700ドルまで上昇。この動きにより、ほぼ大半が弱気ポジションであった約6億ドルのレバレッジ先物が清算された。

4月12日のイスラマバード交渉が決裂すると、ビットコインは71,600ドルに向けて反落した。交渉崩壊を受けてトレーダーは即座にエクスポージャーを削減し、主要取引所でオープンインタレストが低下、資金調達率はほぼ中立水準を維持した。近い将来の合意への期待が剥落し、ホルムズ海峡に関連する供給リスクが再浮上した。

4月17日にイランが海峡の全面開放を宣言すると、ビットコインは最大の上昇を記録し、同セッション中に78,000ドルを突破した。同時期に原油価格が急落してインフレ圧力が低下し、金融環境が改善。リスク選好が市場全体に広がり、大半のアルトコインが日足チャートで3〜5%の上昇を記録した。

なお、ビットコイン現物ETFは直近1週間で約10億ドルの純流入を記録し、3カ月超ぶりの週間最大流入となった。機関投資家も同期間中にエクスポージャーを拡大し、ETF残高合計は1,000億ドルを超えた。

4月18日にイランが海峡規制を再強化すると、ビットコインは75,800〜77,100ドルのレンジに押し戻された。原油価格は同セッションで1バレル94〜96ドルに向けて反発し、それまでの金融環境の緩和が一部巻き戻された。再開放発表から24時間以内に、トレーダーは再びポジションを縮小した。

4月18日の反転後も、ビットコインは執筆時点で75,000ドル前後で推移している。価格が65,000ドルを割り込んだ紛争初期の局面と比較して、強固なサポートを示している。3月初旬以降、エスカレーションのたびにサポート水準が切り上がっており、地政学的なストレス下でも根強い需要が続いていることを示唆する。

直近の上昇は依然としてデリバティブ主導のショートカバーに依存しているが、ETFへの持続的な流入が機関投資家による継続的な積み増しを示しており、ボラティリティ局面における下値サポートを強化している。

関連: 【2026年最新版】ビットコイン(BTC)とは?初心者にわかりやすく仕組みや特徴を解説

日本株は原油感応度と脆弱なマーケットセンチメントを反映

日本の株式市場は中東からの石油輸入への依存度が高いため、ホルムズ海峡をめぐる動向に敏感に反応している。イランが海峡の再開放を発表した翌日、日経平均は2.38%高の59,518円で引け、史上最高値を更新した。原油価格の下落がコスト圧力の緩和期待につながり、投資家は工業株・テクノロジー株へのエクスポージャーを拡大した。

しかし4月18日にイランが規制を再強化すると、日経平均は同日に1,042円安と急落し、センチメントの急速な悪化を反映した。原油価格が急速に反発し、日本のエネルギー輸入コストとインフレ圧力への懸念が再燃。

日本の原油輸入の90%超を中東が占めており、原油高は製造業のコスト増加と消費者購買力の低下をもたらす。この構造は企業収益と国内需要に圧力をかける。

また、日本の消費者信頼感指数は2月の39.7から3月には33.3に低下し、2025年5月以来の最低水準を記録した。市場予測の38も下回り、全構成要素が悪化した。この結果を受け、市場は日本銀行の利上げ期待を後退させている。政策当局はインフレ圧力の高まりと信頼感の低下という二重の課題に直面している。

関連記事:イラン交渉決裂、石油・ビットコイン・世界市場に再びボラティリティ

イランと米国の停戦合意後も交渉が決裂し、原油・ビットコイン・株式市場に再び不透明感が広がっている。ホルムズ海峡の通航制限が続く中、各市場の動向を解説する。

市場の焦点は4月21日の停戦期限に集まっている。合意が確認されれば海峡が再開し、原油価格の低下とリスク資産の支援につながりうる。一方で停戦延長に失敗すれば、原油価格が1バレル100ドルを超え、再び広範な売りが誘発される可能性がある。

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