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人工知能Claudeが11年間紛失のビットコイン復元に成功、6200万円超資産を救出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • Claudeが11年間紛失の5BTCを復元
  • 既存の復旧ソフトの不具合をAIが特定し独自の復号ロジックを生成

Claudeがビットコイン・ウォレットを解析

米アンソロピック社が開発したAIモデル「Claude(クロード)」が、11年間にわたりアクセス不能となっていた仮想通貨ウォレットから、6,200万円以上に相当する5ビットコイン(BTC)を復元することに成功した。

この事例は、AIが暗号技術の解析やソフトウェアの不具合特定において高度な推論能力を発揮した実例として大きな注目を集めている。

ウォレットの所有者であるcprkrn氏は、11年前にパスワードを変更した後にそれを忘れてしまい、長期間にわたって資産が凍結された状態にあった。

同氏は過去8週間にわたり、高性能GPU(RTX 4090)や専用ツール「Hashcat」を駆使して約3.5兆回ものパスワード試行(ブルートフォース攻撃)を繰り返したが、いずれも成功には至らず、資産の救出は絶望的であると考えていたという。

最後の手段として、cprkrn氏は大学時代のノートに残されていた古いシードフレーズ(復元フレーズ)の断片と、古いPCから抽出したウォレットのバックアップファイルをClaudeに読み込ませた。Claudeは入力された膨大なデータから、ウォレットの暗号化構造を詳細に分析し、ユーザーが想定していたパスワードの構成自体が誤っている可能性を指摘した。

出典:cprkrnの投稿

解析の結果、Claudeは既存のビットコイン復旧ソフトウェアである「btcrecover」に人間が気づかなかった不具合(バグ)を発見した。さらに、実際には「共有キー(sharedKey)」とユーザーが設定した「パスワード」が連結された形で暗号化の基礎となっていることを突き止め、独自の復号ロジックを自ら生成したという。

暗号化技術突破ではない

今回の事例はAIが暗号化技術そのものを突破したり、独自に秘密鍵を入手したものではない。あくまでユーザーが提供したバックアップやノートの断片情報を基に、既存ソフトの不具合やパスワードの論理的構成を特定することで、所有者自身のデータによる復元を支援したものだ。

Claudeが生成したロジックにより、プライベートキー(秘密鍵)の復号に成功し、無事に5BTCが所有者の管理下に戻されることとなった。

バンクレスのジョシュ・ケイル氏はによると、専門の仮想通貨復旧サービスを利用した場合、一般的に回収額の20%程度(今回のケースでは約1,260万円相当)が手数料として徴収される。今回の救出劇では、AIが専門業者でも困難な技術的課題をわずかなコストで解決しており、仮想通貨のセルフカストディ(自己管理)におけるAIの新たな役割を提示する事例となった。

関連記事:英政府、GPT-5.5の高度なサイバー攻撃能力に警鐘 「ミトス」に続く2例目の脅威

英国のAI安全研究所は、OpenAIの「GPT-5.5」が高度なサイバー攻撃を自律的に実行できるとする評価報告書を公開。アンソロピックの「Mythos」に匹敵する攻撃能力が確認されており、高度AIの悪用リスクに対して日米の政府や金融当局も警戒を強めている。

今回の事例は、AIが単なる言語生成に留まらず、複雑なコードの脆弱性特定や論理的な問題解決においても極めて高い有用性を持つことを証明した。一方で、デジタル資産のセキュリティ保護という観点からは、AIの解析能力がもたらす新たなリスクへの対策必要性についても、市場参加者に重要な示唆を与えるものとなっている。

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